県が新年度 那須合同庁舎建設へ設計 ハーモニーホール南の1.7ha

【2019/1/26 栃木版】
 大田原市の4カ所に分散配置している県有施設を統合した那須合同庁舎の建設が2019年度から始まる。県は新年度予算案に基本・実施設計費として20年度まで2カ年の継続費1億4915万円を計上する見通し。供用開始は23年3月を予定しており、総事業費には約55億円を試算した。建設候補地は那須農業振興事務所が所在する大田原市本町地内で、那須塩原市との市境にも近い那須ハーモニーホール南の約1.7ha。

 合同庁舎整備の統合対象施設は、那須庁舎(中央1-9-9)、県北健康福祉センター(住吉町2-14-9)、大田原土木事務所(紫塚2-2564-1)、那須農業振興事務所(本町2-2828-4)。新年度予算案には、既存施設の解体調査と設計、建設地の用地調査費なども盛り込まれる予定。

 昨年6月1日県議会一般質問で、三森文徳議員に対する福田富一知事の答弁は、▽4施設のうち2施設が築50年以上を経過し老朽化していることに加え、1施設は仮設的なプレハブ造であること▽分散化によりワンストップサービスが受けられないこと▽災害時の対応や効率的な管理運営に支障が多いこと-などを挙げ、合同庁舎による行政サービスの向上が必要とした。

 統合予定の4施設のうち、那須農業振興事務所はプレハブ造の仮設庁舎となっているほか、ほかの3施設は昭和40~50年代に建設され狭あい化に加え、老朽化している。

 具体的には、県北環境森林事務所や那須教育事務所が入居する那須庁舎は、1965年の竣工で構造と規模がRC造3階建て・延べ2984平方m。県北健康福祉センターは、1967年に建設されたRC造2階と別棟のプレハブ造で構成され、延べ床は1843平方m。大田原土木事務所は、1980年竣工で構造と規模がRC造3階建て・延べ3978平方m。1997~98年の那須水害で臨時的に設置された余笹川改修事務所を前身とする那須農業振興事務所は、99年の竣工とし、プレハブ造平屋建て・延べ1587平方m。

 県は2016年12月に、県公共施設等総合管理基本方針を策定。20年後には県有建築物の約5割が建築後50年を経過するとしており、こうした加速度的な老朽化への対応を県政の重要課題としていた。

 分散していた地方庁舎の合同庁舎化による集約は、昨年3月に供用した鹿沼市の上都賀庁舎と真岡市の芳賀庁舎に続く対応。

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