国の補正受け438億円増 防災や漁港、地籍に追加(県2月補正)

[2019/1/26 千葉版]
 森田健作知事は、来月7日に開会予定の県議会定例会に提出する補正予算案の概要を明らかにした。一般会計は既決額に438億5,200万円を追加し、総額を1兆7,831億9,900万円とするもの。国の補正予算に対応し、道路や橋りょう、河川海岸事業などの防災・減災対策などに事業費を盛り込むとともに、漁港の建設事業費や地籍調査事業費を追加計上するなどしている。

 歳出で主なものをみると、道路橋りょう事業に9億6,000万円を追加、既決額と合わせて447億5,651万円とする。災害時でも緊急車両などが通行可能な道路の確保に向け、倒壊の恐れがある電柱の地中化や、法面補修などの事業費を増額する。

 街路事業でも東葛地区で進められている鉄道の立体交差事業に35億円を増額。内訳は新京成線連続立体交差事業に10億円と、東武野田線連続立体交差事業に25億円を充てる。

 新京成線の事業は、鎌ヶ谷大仏駅~くぬぎ山駅間の約3kmを高架化し、北初富駅と新鎌ヶ谷駅、初富駅の3駅を橋上駅舎とするとともに、12カ所の踏切除却を図るもの。2017年10月には下り線で供用が開始され、19年度には全線での高架運行が目指されている。

 東武野田線も梅郷駅~清水公園駅のうち約2・9kmを高架化、愛宕駅と野田市駅の橋上化とともに、駅前広場の整備などを進めており、20年度の高架駅化を目指す。

 河川・海岸・砂防事業には、9億8,100万円を計上し、今年度の予算を247億0,340万円とする。内訳をみると▽総合流域防災事業(4,000)▽広域河川改修事業(1億6,400)▽緊急河道整備事業(3億6,800)▽海岸基盤整備事業(1億3,400)▽土砂災害防止事業(3,500)▽土砂災害警戒対策事業(2億4,000)──(単位・万円)。頻発・激甚化する台風や豪雨など自然災害による大規模な浸水を未然に防ぐため、堤防の整備や河道掘削、河道内の堆積土砂撤去などを予定している。

 漁港の建設事業には11億3,370万円を追加(既決額との合計は59億3,421万円)。防災・減災を目的に、耐震対策や浚渫など水産基盤ストックマネジメント事業に9億2,700万円、拠点漁港整備事業に2億0,630円を投じる。

 港湾関連ではまた、港湾施設や海岸保全施設の整備に向け、高潮対策事業1億4,400万円、統合補助事業1億1,200万円、改修事業1億7,000万円などを計上。また、高潮などの海岸災害に対する防災・減災に向け、海岸防災林の造成を図る保安林整備事業に、4億4,820万円を追加する。

 これらに加え、災害からの復旧の迅速化に向けた地籍調査を進めるため、地籍調査事業に2億2,739万円を追加する。

 農林水産部の土地改良事業には、経営体育成基盤整備事業に15億8,600万円、農地防災事業に2億1,700万円、県営用排水改良事業に9,880万円などを計上。成田市が進めている卸売市場輸出拠点化整備事業に、8億5,754万円を追加で助成するほか、担い手確保・経営強化支援事業に1億6,360万円、畜産競争力強化対策事業に1億8,610万円、台風24号による被災農業者支援事業に3億0,170万円の補助金などを盛り込んだ。

 これらのほか、企業土地管理局の残余資金489億円を活用し、県有施設長寿命化等推進基金に170億円を積み増すほか、新たに社会資本整備等推進基金に319億円、災害復興・地域再生基金に160億円をそれぞれ積み立てる。

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