普通建設費149億円増 一般会計は1兆7608億円 山武合庁を集約・建替(県19年度予算)
[2019/1/25 千葉版]
森田健作知事は、24日に開いた会見で、2019年度当初予算案の概要を明らかにした。一般会計の総額は、1兆7,608億4,500万円。前年度の予算と比べて1・8%の増となる。建設関連では、老朽化する山武合同庁舎(東金市)や、旭警察署(旭市)の建て替えに向けた基本設計に着手するほか、前年度に「強力に加速」させるとし、大幅に増額した道路ネットワーク整備事業も42億円増の618億円余を計上、さらなる推進を図る。
県文化会館を大規模改修へ
一般会計を性質別にみた投資的経費では、直轄事業負担金が、圏央道大栄~横芝間の整備に、政府が財政投融資を活用することとしたことから、持ち出し分が約50億円減の116億円となる。
一方で普通建設事業費の単独事業分が、消防学校・防災研修センターの整備完了に伴う減額がある一方、道路ネットワーク整備事業の強力推進継続と、県有施設の長寿命化に伴う取り組み、さらに河川海岸砂防施設の整備などで142億円の増となることなどから、普通建設事業費は前年度比10・5%(約149億円)増の1,563億円、投資的経費全体も6・2%増の1,699億円となる。
道路ネットワーク事業(618億円、債務負担行為296億円)では、成田国際空港へのアクセス強化を図る北千葉道路印西~成田間整備事業で前年度の18億円を上回る31億円、同様に銚子連絡道路や長生グリーンラインなどの圏央道インターチェンジへのアクセス強化事業で、前年度の24億円を上回る30億円を計上。長生グリーンラインについては、19年度の部分開通を見込むほか、国道128号実入バイパス、県道千葉鴨川線高谷工区、新京成線の連続立体高架事業なども19年度の完成・開通を計画する。
道路についてはこれらに加え、舗装修繕や除草など良好な路面状態の維持や美化に95億円(前年度92億円)を盛り込んだほか、交通安全施設整備事業にも前年度比で3億円余多い90億円を計上する。
建設関連をみると、移転改築を計画する千葉市中央区の県社会福祉センターは19年度、千都建築設計事務所(千葉市美浜区)により実施設計を進め、20年度から3カ年の着工に備えるとともに、予定地に残る旧女性サポートセンター一時保護所の解体撤去に向け計1億8,142万円の確保を目指すほか、同じく建て替えへ実施設計を進める館山警察署には1億8,187万円を計上する。
漁港建設事業には、前年度と同規模の51億円を充てる。拠点漁港整備事業のうち、銚子漁港では、新たな漁港漁場整備事業計画に基づき、外郭施設や係留施設の改良などに取り組むとした。
県有建物の長寿命化対策事業には、218億円を計上する。山武合同庁舎再整備事業には7,100万円を投じるほか、建て替え中の県農林総合研究センター再編整備事業には23億円を盛り込む。
同じく長寿命化へ大規模改修を計画するものでは、総合スポーツセンター野球場に23億円、中央児童相談所機能拡充移転事業に16億5,400万円などを計上するとともに、完成後50年以上が経過し、老朽化の目立つ千葉市中央区の県文化会館は、改修に向けた基本設計と測量調査に合わせて1億3,881万円の確保を目指す。基本設計では、具体的な改修方針や仕様の検討のほか、耐震化への基本調査を進めることにしている。
施設の長寿命化については、地域防犯力の向上の一環として、警察署の庁舎や交番・駐在所の建て替えや改修に伴う予算を大幅に増額。旭警察署は国道126号沿いにある現在地を建て替え予定地として計画しており、基本設計に5,686万円を計上、21年度から着工予定で、総事業費には19億円余を見込んでいる。交番・駐在所も建て替えまたは改修に計5億5,968万円を充てる。
県は自然災害への対策についても、海岸津波対策事業に開口部対策(30億7,600万円)をはじめとする35億6,100万円、河川津波対策事業にも15億円を投じる。
また、台風・豪雨対策として、堤防嵩上げ・護岸整備(19億3,500万円)や、排水整備による路面冠水対策(16億6,650万円)を中心に、合わせて65億円の予算化を図る。
進行中の大型事業についてみると、保護者が負担していた県立高等学校の空調リース料などとして9億1,700万円、県立学校長寿命化対策事業に38億円、がんセンター施設整備事業に244億円、千葉リハビリテーションセンター再整備事業に基本計画の策定料など6,400万円、吊天井など県立学校非構造部材対策事業に17億円、土地改良事業に156億円、鉄道など立体交差事業など街路整備事業に123億円、新規の金ケ作県営住宅(第二期)を含む公営住宅建設事業に24億円などが計上されている。