加工場を4月めど着工 気仙沼赤岩港に本社移転(水産業の横田屋本店)
[2019/1/11 宮城版]
水産加工販売業の横田屋本店(気仙沼市、猪狩儀一代表取締役)は、同市赤岩港地区に水産加工場を建設する意向で、市から補助金の交付決定を受け次第、4月をめどに新築着工し、来年3月までの完成を目指す。本社機能は現在の八日町から赤岩港に移す予定。
同社は、昨年5~6月に市が赤岩港水産加工団地への進出企業を募集した際に応募し、土地を貸与されることになった。対象地は赤岩港168-17(14街区)の1区画で、面積が約5800平方m。当初は、別のもう1社と対象用地を分け合い、それぞれ水産加工場を建てる予定になっていたが、その後にもう1社が辞退したため、横田屋本店のみが立地する。
新しい水産加工場の施設規模は当初、900平方m程度を想定していたが、現時点ではより大きくなると見ている。加工場と事務所を設け、ホヤの塩辛、焼きノリ、ウニ、藻類の珍味などを扱う計画。
水産加工場の建設に当たっては、気仙沼市水産業共同利用施設復興整備事業の補助金を活用する。市は昨年11~12月に同事業の8回公募を行っており、2社から申請を受け付けた。2月上旬ごろに審査して、同下旬に交付決定する予定だ。
同事業の対象事業費は、水産加工処理施設が20億円、水産物鮮度保持施設が15億円、両施設を一体的に整備する場合が26億円を上限とする。ただし、8回公募の全体予算額(対象事業費)は8億円程度で、対象事業費の8分の7以内を補助する。
赤岩港地区の水産加工団地は、大震災後に市が約19.9haの土地を造成し、14区画を設けた。これまでに7者が立地し、水産加工場などを稼働している。残りの空き区画には今後、横田屋本店のほか、大弘水産(同市)やヤヨイサンフーズ(本社・東京都港区)などが立地する予定になっている。
横田屋本店は、1706年の創業、1917年6月の設立。水産加工販売、食品製造・卸売、不動産賃貸業などを手掛けている。八日町では本社機能を移した後も製品販売を続ける。階上地区に水産加工場を置いている。