3カ年で2000mmシールド工 小中学校空調に20億円(八千代市補正)
[2019/1/11 千葉版]
八千代市(服部友則市長)が、16日に開会する市議会1月臨時会に提出を予定している補正予算案の概要が明らかになった。一般会計は既決額に20億6,906万円を追加し、総額を586億1,817万円とする大型補正案で、BTO方式を採用する「小中学校普通・特別教室等空調設備整備PFI事業」には20億円を計上するほか、公共下水道事業会計の補正予算案でも、浸水対策に伴うシールド工法による雨水管渠の整備にも、3カ年総額15億円余の継続費を設定する。
企業会計である公共下水道事業会計には、資本的支出として「雨水管渠整備事業(八千代1号幹線浸水対策管渠布設(シールド工法)工事)」に、3カ年総額で15億4,665万円を設定する。年割額は2018年度が5億5,357万円、19年度がなし、20年度が9億9,308万円となっているが、18年度分は繰越明許とするため、実質的に19・20年度の2カ年継続事業となる。
雨水管渠整備事業は、13年10月に市を襲った台風26号により、八千代1号幹線(高津川)がいっ水し、大和田地区を中心とした約400棟に浸水被害が発生したことなどを受け、その軽減を図るために進められている事業の一環。17・18年度の2カ年で容量1万5,500立方mの調整池を築造中で、補正案のシールド工はその下流側への掘削を予定している。
住宅密集地であることと、大和田駅近くで京成本線をアンダーパスする必要があるため市は、管径2,000mmの雨水管渠をシールド工法で整備する方針。施工延長は586mで、このうちシールド工部分は579mを想定しており、市の直接発注により、2カ年でシールド工を完了させる考えだ。事業は調整池上流側などでも管渠の布設を並行して進めるなどし、21年度の完了を目指す。
今回の補正で市は併せて「雨水管渠整備事業(上高野(かみこうや)地区雨水排水整備工事)」として、18~20年度の3カ年総額8億6,765万円の継続費を設定する。年割額は18年度1億0,841万円、20年度7億5,924万円で、同様に18年度分は19年度に繰り越す。
八千代1号幹線と同様に住宅密集地であることなどから、シールド工法を採用するほか、推進工法も併用し、延長589mの区間に管径1,200mmの雨水管渠を整備する考えだ。これらの事業は、国の補正予算による事業費の確保が見込まれ次第、発注準備を進めたいとしている。
一般会計による小中学校への空調設備の整備費(公有財産購入費)20億円の内訳は、小学校(22校)分13億3,480万円、中学校分(11校)分6億6,520万円。全額を繰り越すことで19年度単年での整備を図る方針だ。
BTO方式による整備に伴い市では、先月までに実施方針を公表。設置基数として市は、普通教室・特別教室・管理諸室627教室と、特別教室や管理諸室など既設の空調設備の更新45教室分を想定しており、設計・施工は20年3月まで、その後の維持管理は33年3月までの約13カ年を見込んでいる。
補正案ではこれらに加え、高規格救急自動車の更新に当たり3,957万円の確保を図るほか、防火水槽撤去工事費432万円、八千代ふるさとステーションの自動ドアと内部改修工事費230万円、総合グラウンド陸上競技場の第4種公認継続に向けた工事費と備品購入費に542万円をそれぞれ追加するなどする。