新規に米川でほ場整備 19年度/4地区が計画調査(県東部振興)
[2019/1/10 宮城版]
県東部地方振興事務所は、2019年度に4地区でほ場整備に向けた計画調査を進める。4地区は、石巻市内の深谷地区、大森地区、福地地区と、登米市内の米川地区。このうち米川は新規地区で、19年度から3カ年かけて計画調査を進め、22年度の事業採択を目指す。残り3地区は19年度まで計画調査を行い、20年度の事業採択を目指している。
米川地区は、二股川の右岸側に広がる水田で、1970~80年代に耕地整備された。既存の農地は1区画当たりの面積が20aで、用排水路が土水路となっている。暗渠排水が未整備のため、ぬかるみの発生が問題となっているほか、農道が狭いため、大型機械が運行しにくくなっている。
計画では、60haを区画整理し、1区画当たりの面積を1ha程度に拡大する。併せて、排水フリュームやパイプライン、暗渠排水の設置、農道の拡幅などを進める。
深谷地区は、定川の西側に位置しており、一部が東松島市にまたがっている。区画整理は対象面積が443.9haで、うち道路などを除くほ場面積が391ha。1区画当たりの標準面積は1haに拡大する。
併せて、延長約36kmの道路、延長約34kmの排水路、延長約41kmの用水路、揚水機場6カ所、暗渠排水を整備する。 区画整理の基本設計業務は、2017年度と18年度にそれぞれサトー技建(仙台市若林区)に委託した。
大森地区は、道の駅上品の里(石巻市小船越二子北下)の近くを流れる追波川より東側一帯で、231haの農地を対象に区画整理を進める。ほ場面積は180.9ha。1区画当たりの標準面積は現況が10aで、これを1haに拡大する。
併せて、延長約16kmの道路、延長約15kmの排水路、延長約19kmの用水路、揚水機場4カ所、暗渠排水を整備する予定。区画整理の基本設計業務は昨年度、西條設計コンサルタント(石巻市)に委託した。
福地地区は、追波川周辺で44haの農地を区画整理する。ほ場面積は38.7ha。計画延長は、道路が約3.8km、排水路が約3.5km、用水路が約4.2km。揚水機場は1カ所に設ける見通し。暗渠排水も整備する。区画整理の基本設計業務は昨年度、西條設計コンサルタントが請け負った。
いずれの地区も排水路は排水フリューム、用水路はフリュームと塩ビ管、暗渠排水はポリエチレン管を主に使用する。今後は必要に応じて土地改良事業団体連合会に計画を修正してもらい、2019年度に国のヒアリングを受け、事業化を目指す。
渡波など2地区でほ場整備を目指す
同事務所によると、石巻市内の渡波地区と大瓜西部地区でもほ場整備の機運が高まっている。今後に地元農家と勉強会を開き、2020年度から計画調査を進めたい考え。
両地区は稲井土地改良区の管理する農地で、区画や道路の拡幅、用排水路の分離化・性能強化が求められている。渡波地区は全体面積が69haで、すでに地元農家の代表者と話し合い、ほ場整備に向けた体制作りを進めている。
両地区では今後、地元農家との勉強会で事業制度を説明するとともに、競争力の強化に向けた方策を協議し、具体化を図る。