建て替えへ次年度から基本計画 消防学校跡なら延べ4・5万㎡(県千葉リハビリセンター)
[2019/1/10 千葉版]
2018年度第2回となる県千葉リハビリテーションセンターの施設整備検討会議(議長・岡田就将県健康福祉部保健医療担当部長)が9日、千葉市内で開かれた(写真)。センターの機能・役割と、調査対象地における検討状況の2点が議題となり、進行中の基礎調査内容が説明されるなどした。調査は年度内に結果が取りまとめられ、次年度早々にも建設候補地を決定した上で、基本計画の策定に着手する見通しだ。
同会議は、建て替えを見据えた施設整備が計画されている千葉リハビリテーションセンター(千葉市緑区誉田町1-45-2)の再整備に当たり、機能や施設の規模などについて専門的な意見の聴取を踏まえて検討するために設置されたもの。議事では1981年の開設から40年近くが経過した同センターの施設と、これを取り巻く現況などについて、2018年5月のプロポーザルで選定されたシステム環境研究所(東京事務所・東京都中央区)が進めている基礎調査の内容が、構成員らに説明された。
調査では近年に竣工した他県で中心的なリハビリ機能を担う大型に病院施設と同センターを比較。個室率の低さやリハビリ室が比較的小さいこと、専用の運動施設がないことなどを指摘した上で、センターの果たすべき役割・機能と施設設備の方向性、健全経営の視点を論点として挙げた。
このうち施設設備の方向性からは▽肢体不自由や聴覚・視覚障害にも配慮した施設のバリアフリー化▽明るい雰囲気の施設づくり▽乗降しやすい駐車スペースの確保▽雨除けのための駐車場や玄関の庇整備▽レストラン・ATM等利便施設の整備▽多床室(5・6人床)の解消や個室の整備▽訓練スペースの拡充や各諸室の適正なスペースの確保──を検討課題として構成員らに投げかけた。
建設候補地として調査では、現在地約4万平方mと千葉市中央区仁戸名町の消防学校跡地約3万9,000平方mを対象地に設定。現在地で建て替えを図った場合、1期目で外来診療棟(地下1階地上13階建て延べ約2万8,000平方m)を建設・移転。2期目は現施設を解体し、居住棟(6階建て延べ約1万1,000平方m)を建設・移転するプロセスとなり、1期目で33カ月、2期目が24カ月、この後の解体・外構工事を含めて63カ月(5年3カ月)で渡り廊下などを含め、延べ3万9,790平方mを整備する案が示された。
消防学校跡地へ移転建て替えを図った場合は一方で、残置施設を解体した上で、外来診療棟(地下1階地上6階建て延べ約3万4,000平方m)と居住棟(6階建て延べ約1万1,000平方m)を並行して整備。解体から移転完了まで33カ月(2年9カ月)で延べ約4万5,000平方mを整備するという案が示されている。
調査は、今月にも職員アンケートを実施した上で、3月までに整理される予定となっている。
現在の千葉リハビリテーションセンターは複数棟で構成されており、1985年に建てられた本館・中央棟(RC造4階建て延べ1万4,326平方m)や、居住棟(RC造3階建て延べ9,231平方m)などがあり、リハビリテーション医療施設のほか、肢体不自由児施設や重症心身障害児施設などが配置されており、合計規模は延べ2万7,240平方m。
現地建て替え後の延床面積は、既存の1・5倍を超えると、既存建物と同等の高さに制限されてしまうため、新たな建物は既存建物延べ2・7万平方mの1・5倍の約4万平方mを最大規模として検討するという。