保育所再編が本格化 32年度/河北地区で基本設計(石巻市)
石巻市は、総合計画の実施計画(2019~21年度)に、新規で公立幼稚園・保育所・こども園の再編計画事業を盛り込んだ。19年度は、須江保育所の地盤沈下対策工事を行う。20年度は、河北地区の保育所3カ所を統合し、新たに1カ所を設けるため、基本設計に着手する予定だ。21年度には、井内保育所の改修工事や、ふたば保育所の改築に向けた基本設計などに着手する見通し。
須江保育所は、田んぼだった場所に建てたせいか、地盤が徐々に下がり始めている。建物には影響がないものの、園庭や駐車場などで段差が生じている。駐車場は地下の防火水槽が浮き上がってきている。
本年度は、佐藤土木測量設計事務所(石巻市)に測量調査業務を委託。同業務の成果を踏まえ、具体的な対策工法を決める。現時点では、園庭の土を削って高さを調整し階段を設置することや、駐車場の舗装をはがし再舗装することなどを想定している。
実施計画では、2019年度分の事業費に同保育所の地盤沈下対策工事費として2910万円を充てている。
河北地区で統合を計画している保育所は、大川、大谷地、二俣の3カ所。新たに用地を確保して新保育所を建てる考えで、2020年度に基本設計、21年度に実施設計を委託し、22年度の着工を予定する。
21年度はこのほか、北上地区に新たな子ども園ができる予定のため、場合によっては橋浦保育所の解体に向けた設計に着手する可能性がある。ただし、橋浦保育所の既存施設を継続利用する可能性もあるため、流動的だ。
実施計画では、21年度分の事業費に1億1524万円を見込んでいる。この中には、河北地区に建てる新保育所の用地取得費も含まれている。実際には建設場所が決まっておらず、市有地を活用する可能性もあるため、用地取得費はあくまで見込み額となっている。
2021年度は、河北地区に建てる新保育所の実施設計と、稲井保育所の改修工事、ふたば保育所の改築基本設計、橋浦保育所の解体工事、若草保育所の解体設計などに着手する見通し。実施計画に盛り込んだ21年度分の事業費は3億1187万円。
井内保育所は、稲井幼稚園と統合し、子ども園に移行することに伴い、改修を計画。井内保育所の既存施設は、大震災後に寄贈された建物のため、継続利用を考えている。
ふたば保育所は、施設の老朽化に伴って改築する予定。若草保育所は、廃止して民間施設を誘致することに伴い、既存施設を解体する。
市の公立幼稚園・保育所・こども園の再編計画(2018~22年度)では、統廃合を進めて公立施設12カ所を減らすとともに、私立(民間)施設を新たに4カ所誘致し、今後に開所を予定している分も含め計7施設を増やすことにしている。
石巻地区では、水押、水明、住吉の3保育所を廃止し、代わりに民間の1施設を誘致する。誘致先は旧石巻合同庁舎の跡地を県から取得し、確保したい考え。この廃止・誘致は22年度ごろに行う見通し。
河南・桃生地区は、和渕保育所と鹿又保育所を廃止し、代わりに民間のこども園1カ所を誘致するほか、桃生新田保育所と桃生幼稚園を廃位・統合し、公立こども園を設置する計画になっている。これらも22年度以降の着手となりそうだ。