下都賀農振 馬門6.3億円で着手へ 大区画で面整備48.9ha

【2019/1/9 栃木版】
 県は農地整備事業馬門地区(佐野市)の計画概要を固め、2019年度から事業に着手できるよう国庫補助(農業競争力強化基盤整備事業・経営体育成型)を申請した。一級河川渡良瀬川左岸に展開する水田を対象に、48.9haについて大区画を主体とした区画整理を実施する計画。事業期間が19~24年度の6年間、事業費には6億3800万円を試算している。県下都賀農業振興事務所によると、地区北部の排水不良区域6.9haは本暗渠を施工するとともに、平坦な土地で勾配を保つため、水路幅が広く水深の浅い支線水路を主体に装工する計画とした。事業着手の19年度には地区界確定や換地業務、外業調査を行い、次年度の実施設計と工事に備えていく。

 事業予定地は、市の南部に位置し、南側を一級河川渡良瀬川を挟んで群馬県館林市、北側が旧秋山川、東には東北自動車道が近接している。水源は一級河川三杉川の界排水機場からポンプアップし、水路でつないで地区内に導水。地区中央付近から南北に水を融通している。地区内に導水する水路は老朽化しており、馬門地区の圃整工事と整合を図り改修する計画。事業は農振総安足地区の馬門高山として箇所付けされており、開水路区間1502mを再整備する予定。

 圃場は標準区画を1ha(280×140m)の大区画とし、50aの割合を全体の9割まで高めていく計画。将来は付加価値の高いアスパラガス・ネギ、ソバなど畑作への転換も考慮して、農道の整備や用排水を分離した水路の整備を行う。整地工には2億3500万円を試算した。

 同地は戦前の1937~42年にかけて耕地整理が行われたものの、大部分が20a程度の小区画な水田。旧秋山川に接する北側は、大雨などの降雨時に湛水する排水不良を来しており、吸水渠と集水渠による暗渠排水を予定。本暗渠には2000万円を試算している。

 道路は大型機械の導入を円滑にさせる全幅5mの砂利敷の土砂道を、計画的に延べ6.2km配置する。事業費には6500万円を試算した。

 農業用水路は、用排水兼用の狭小な土水路で、水資源区域も隣接する高山地区と重複するため水管理に弊害が多いとした。用水路は小用水路(W300~500ミリ×H300~500ミリ)を主体に延べ6.1km。事業費には1億1200万円を試算した。

 排水路は、支線排水路(W1000~1200ミリ×H900ミリ)と小排水路(W400~800ミリ×H400~600ミリ)を主体に延べ4.8kmを計画。排水路の整備には1億0400万円を試算している。

 生態系保全施設は、生き物調査を通じ具体化を図っていく。現時点では、水路内に深み・よどみ、植生・保全空間を設置して生息環境を確保していくとした。

 同地区は、佐野市土地改良区が設立されている。

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