旧北上川復興に36億円 堤防整備へ/復旧費を別途計上 31年度予算案(国交省)
[2018/12/26 宮城版]
国土交通省の31年度予算案には、旧北上川の復興関係費として36億円が計上された。これとは別に、同川の復旧費に数十億円が計上されており、国会で予算案が可決されれば、これらを堤防整備の事業費に充てる。同川の復旧・復興事業では、延長15kmの堤防整備を計画しており、32年度の全体完成が目標となっている。
国交省水管理・国土保全局の31年度予算案には、東日本大震災からの復旧・復興関係費(東日本大震災復興特別会計)に1244億円が配分された。この中には旧北上川の復旧・復興費と、被災地で工事が進められている河川・海岸堤防等の補助事業費が含まれている。
旧北上川の復旧・復興事業は、全体事業費が約1100億円で、24年度から29年度までに約800億円が投入された。本年度は129億円を投じ、堤防や樋管などの整備を進めている。
11月末時点の進捗率は、堤防整備の着手率が約81%(延長12.2km)、完成率が約47%(同7km)、用地の取得率が約92%となっている。
築堤工事2件を公告
国交省北上川下流河川事務所は25日、旧北上川の築堤工事2件について、一般競争入札(施工能力評価型II型)を公告した。2件とも石巻地方生活圏か古川地方生活圏に事業所を置き、東北地方整備局から一般土木工事C等級の認定を受けている者が参加可能。来月10日まで申請書、同22日まで入札書などを受け付け、2月7日に開札する。
公告したのは「旧北上川左岸川口地区上流築堤工事」と「旧北上川左岸八幡地区築堤工事」。概算工事規模は2件とも1億~2億円。
川口地区の工事は、施工延長が240m。このうち、150m区間は以前の工事で暫定盛土しており、さらにかさ上げして完成形に仕上げる。残り90m区間は最初から築堤盛土を進める。ICT活用工事の施工者希望I型となっている。
具体的な工事内容は、河川土工の盛土が1万9000立方m、岩ズリが1800立方m、盛土部の法面整形が5710平方m、護岸基礎工のプレキャスト基礎が延長75m、法覆護岸工の大型連結ブロックが2064平方m、平場コンクリートが177立方mなど。工期は31年7月10日まで。
八幡地区の工事は、施工延長が220m。これまでの工事で盛土がある程度できあがっており、最後の護岸工や付帯道路工などを施工する。
具体的な工事内容は、河川土工の盛土が830立方m、岩ズリが810立方m、盛土部の法面整形が930平方m、護岸基礎工のプレキャスト基礎が延長195m、法覆護岸工の平ブロック張りが1502平方m、平場コンクリートが266立方m、付帯道路工の下層路盤が1010平方m、表層が975平方mなど。工期は31年7月19日まで。
旧北上川の河川堤防は、大震災の津波被害を踏まえ、河口から延長15km区間に整備している。現在までの進捗率は完成ベースで約40%。21日には雲雀野地区中流築堤工事と、川口地区下流築堤工事の一般競争入札を公告しており、来月9日まで申請書を受け付け、2月5日に開札する。