県育英会 東急電鉄グループが優先交渉権者 東京学生寮32年度着工へ
[2018/12/20 栃木版]
県育英会は、東京学生寮(東京都目黒区大橋2-20-10)の現地建替えに伴い、公募型プロポーザルの結果を公表し、優先交渉権者に東京急行電鉄(東京都渋谷区)グループ、次点者には三井不動産レジデンシャル(東京都中央区)グループを選定した。今後は3月に正式に契約し、31年度は詳細設計と既存宿舎の解体、32年度から2カ年で工事を行い、34年4月から入寮を受け付ける。新しい学生寮はRC造6階建て・延べ4170平方m(建築面積897・6平方m)。本県学生120室(男女各60室)のほか、他道府県の一般学生85室も内包する。
東京急行電鉄グループは、設計が類設計室(大阪市淀川区)、建設工事は京王建設(東京都府中市)、運営に伊藤忠アーバンコミュニティ(東京都中央区)で構成する。敷地2045平方mの県有地に東京急行電鉄が50年間の一般定期借地権を設定。同社所有の学生寮の建物には、育英会が50年間の定期借地権を設定し、賃借料と寮費等総額が同額となるため、育英会の負担はゼロとなる仕組み。寮費等収入による事業者の独立採算方式で運営する。
同グループの提案によると、新しい学生寮は10平方mの個室を各階に内包し、敷地南から東側にL字型に配置。南側が本県学生、東側は一般学生が入居する。東側の1階には本県学生だけが利用できる厨房調理の食堂など共有スペースを確保。1~3階が男子、4~6階を女子学生専用とし、プライバシーやセキュリティに配慮する。
本県学生が利用する個室は調理スペースが無く、浴室もシャワー程度の仕様。一般学生利用の個室には各部屋に台所を計画した。寮費は月額6万5000円で、内訳が寮費3万5000円、食費2万円、雑費1万円とした。
同地は、マンションや教育施設などが建ち並ぶ閑静な住宅街にあり、京王井の頭線駒場東大前駅、東急田園都市線池尻大橋駅にも近く、通学のアクセスにも恵まれている。建設地は高さ17mの建築制限がかかっており、6階建てが限界という。敷地北西側には駐車場や駐輪場の整備を計画している。
現在の東京学生寮は、女子寮がRC造陸屋根4階建て・延べ1488.44平方mで昭和32年9月の竣工。居室は2人部屋50室で定員が100人。男子寮はRC造陸屋根4階建て・延べ847.54平方mで、同36年9月の竣工。職員宿舎は同37年9月に建設した木造亜鉛メッキ鋼板葺き2階建て・延べ84.23平方m。
竣工から約55~60年が経過し、建物の老朽化と耐震化の対応が必須とされている。これまでは部分的な修繕等で対応してきたものの、維持管理も限界に近づいているとし、早急な建替えによる抜本的な対策が急がれていた。
なお、次点者の構成員は運営企業として、共立メンテナンス(東京都千代田区)が参画している。