大田原土木の豊原高久線 ルート決め路線測量 JR線オーバー2270m整備へ

[2018/12/19 栃木版]
 那須町のJR東北本線高久駅周辺で、あい路狭小区間となっている一般県道豊原高久線の改善に伴うルートが固まり、延べ2270mのうち同駅西側の現道拡幅区間が870m、東北新幹線の東で並行しJR線をオーバーパスするバイパス区間が1400mを試算していることが分かった。県大田原土木事務所によると、年明けにも路線測量を発注し、31年度の道路詳細設計に備えていくとした。幅員は11mに片側2.5mの歩道を確保、町道拡幅区間では両側歩道を計画している。ルート検討の予備設計は、ダイミック(宇都宮市)が担当している。

 同県道高久駅工区は、28年度に平面図化、29年度から事業化に向けた新規調査箇所として予備設計を実施、複数のルート案を検討してきた。同ルートが12月の地元説明会で了承を得て、年明けに路線測量を発注する。

 ルートは高久駅西側の現道を拡幅し、鉄道と並行して北進のバイパスを整備。現道とは東北本線が堀割的に低い軌道となっている箇所を選定して、オーバーパスでタッチする。同駅北側で同県道が鉄道下をボックスで通過する箇所(高久架道橋)のクランク区間を回避することが目的。バイパスは現道西側を設定し、駅北側で交差点を形成している町道池田高久駅線と一部重用しながら北上。新幹線に近接しながら在来線との間を通り、在来線をオーバーパスして現道にタッチするもの。現道は在来線と近接並行しており、鉄道を挟んで南から合流するため架設する跨線橋は斜橋となる。北側の現道タッチはT字交差点となるよう現道の法線を調整するとした。

 31年度には道路詳細設計を委託し、詳細な道路計画を固め地元説明会を開く予定。その後は、用地買収に備えるため、用地測量に移行。また、道路詳細設計とは別に跨線橋の詳細設計を委託する方向で検討している。高久駅前の道路用地の確保を含め、JRとは協議に入っており、跨線橋整備に伴う委託方法を含めた検討を進めていく見通し。

 計画幅員は11mを基本に、車道が3.25m×2車線、車道両側には自転車通行帯として1mを確保する。歩道は現道拡幅区間で南側の整備済み区間と整合を図り西側、バイパス区間では東側に2.5mを確保。現道から分かれ、町道池田高久駅線との重要区間は両側歩道を想定している。

 高久駅周辺の同県道は、幅員が狭い上に車道にはセンターラインがなく、歩道も設置されていない。特に、駅北側の高久架道橋を含むクランク区間は狭く、車両の交互通行にも支障を来しているほか、クランク状に直角に曲がっている箇所には町道が合流し、見通しの悪い危険な交差点となっている。

 同県道は、町中心部の黒田原地区と那須塩原市の旧黒磯市街地とを最短ルートで結び、通勤や通学など住民生活に加え、地域経済を担う重要な路線。沿道には、町が開発した住宅分譲地や町営住宅団地などが立地しているほか、黒田原小学校のバス停留所に加え、那須中央中学校の生徒が自転車通学で利用している。

 事業予定地付近には公図混乱地区があり、町は28年度から地籍調査を実施。地籍調査の完了に合わせ用地取得に着手できるよう、準備を進めていくという。

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