公募に向け対話調査 大久保既存4施設 集約跡活用で(習志野市)
[2018/12/11 千葉版]
習志野市資産管理課は、PFI手法で整備中の大久保地区公共施設再生事業に伴い、同地区で閉館となる4つの施設について、活用に向けた民間事業者との対話(サウンディング調査)を実施する。対話は18日まで参加を受け付けた上で、19~21日に実施する予定。市は特別な資料や図面の作成などを求めす、対話の参加が応募の条件となることもないとしており、気軽に参加をと呼び掛けている。公募は31年6月ごろにも開始し、11月をめどに事業者を選考したい考えだ。
民間活用検討の対象となる施設は▽屋敷公民館(S造2階建て延べ338平方m)▽生涯学習地区センターゆうゆう館(RC造2階建て延べ841平方m)▽藤崎図書館(RC造4階建て延べ878平方m、消防部分除く)▽あづまこども会館(RC造3階建て延べ241平方m)──の4施設。
京成大久保駅を中心としたエリアにあるこれらの施設について市は、いずれも大久保地区公共施設のうち、生涯学習拠点となる施設が32年度に開館することに伴い、31年度末で閉館させることや、以降の財政投入をしない方針を決めている。
市はこれらの公共施設跡を、コミュニティの活性化や地域の利便性向上などの施設として転換を図るため、28年度にプロポーザルで民間活用に向けた検討業務をトーンアンドマター(東京都渋谷区)に委託していた。
同年度にはアンケートや住民ワークショップ、企業へのヒアリングなどを実施して報告書を作成。これによると、屋敷公民館はハード・ソフト両面からの考察により、事業実現の可能性として、リノベーションした上での市民スクール(市民交流施設の運営事業)が最も評価が高く、次いで新築した上での子育て施設(隣接する公園と一体型の子育て施設の運営事業)の可能性が高いとした。
ゆうゆう館は既存建物のリノベーションは難しいとする一方、道路に面し敷地が広いことなどから、新築ならば民間による比較的規模の大きな開発の可能性があるとし、高齢者施設とテナント区画を組み合わせた事業の可能性があるとした。
1階部分が消防署になっている、比較的新しい藤崎図書館についてはまた、リノベーションした上での「デイケアセンター」「学童保育・フリースクール」「子育て施設」「オフィス」としての可能性が同レベルで高いと評価。あづまこども会館は、敷地が狭く建物の耐震化も難しいとし、隣地の国有地と合併を含めて、土地自体の検討を進める必要があるなどとしている。
市は基本的に売却または賃貸借で活用を図る計画。対話は事業参画の意向がある法人または法人グループを対象とし、得た意見は今後の公募時の参考とする考えである一方、対話への参加が事業者公募時の評価の対象とはしないとしている。