5カ年で58億円概算 水道管路の耐震化計画(八千代市)
[2018/12/6 千葉版]
八千代市上水道課は、水道管路の耐震化計画をまとめた。石綿セメント管の更新が今年度で完了予定であることに続き、重要給水施設の更新を31~35年度の5カ年で完了させることを目標に掲げており、5カ年で同施設経路の23・4kmの更新を図るため、事業費に38億円余を概算。これら重要管路に加え、導水管やVP管、送水管の継手補強など、耐震化事業に今後5カ年で合わせて58億円余を投じることなどを想定している。
この計画は、併せて策定された水道施設再構築基本計画と整合性を図りながら、72年度(2060年度)までに全ての水道管路の耐震化率を100%にすることを目指すもの。同市の管路の総延長は28年度末時点で約694kmで、耐震適合管を含めた耐震化率は53・8%となっている。
40年とされている法定耐用年数を超えた管路は、全体の約14%に当たる約96・9kmが残存。計画では管路耐震化の基本方針として、水道管路の中でも重要な基幹管路として位置づけられている導水管や送水管が、水源(取水施設)と浄水場を連絡する管路施設であることから重要性が高く、優先的に耐震化を進めるとしたほか、災害時に重要給水施設となる施設につながる管路である重要給水施設管路も優先的に耐震化。計画的に耐震管への更新を図る老朽管は、耐震性が低い管種や継手形式の管路を優先させるとともに、塩化ビニル管(VP)や鋳鉄管(CIP)は経年度が高い管路ほど漏水など事故率が高くなることから、優先の必要があるとした。
重要給水施設管路に残る老朽管は市によると、20・2%に当たる9・9kmが残存。このうちダクタイル鋳鉄管が7・9kmを占めている。
同計画では併せて、40年度までの10カ年を中期計画期間とし、35年度以降は一般管路の再構築化にも着手する方針でいる。
耐震化に当たっての方針をみると、レベル2地震動に対する耐震性能を満たさないとされる管路は、全て耐震管(ダクタイル鋳鉄管GX形)に更新。導・送水管など基幹管路については、NS形継手などのダクタイル鋳鉄管の離脱防止継手以外の管路は全て、再構築計画に伴う管路工事と調整しながら、NSまたはGX形継手などの離脱防止継手管に更新し、耐震化する。
重要給水施設管路については、NS形継手などのダクタイル鋳鉄管の離脱防止継手管路以外の管路は、全てGX形継手などの離脱防止継手管に最優先で更新。水管橋や軌道横断部などといった復旧困難管路は、それぞれ簡易耐震診断を実施。必要に応じて耐震補強または架け替えなど更新を図る。水管橋などはその他の管路工事に比べて工事費が高額となることが見込まれるとともに、施工の難易度も高くなるため、耐震化工事全体の工事費や事業量を考慮し、計画的に耐震化を進めるとしている。
その他の管路について同計画ではこのほか、優先度を重要給水施設管路や復旧困難管路の次とし、一方で塩化ビニル管の更新については、ぜい弱性が高いため、毎年1km程度、計画的に耐震化を進めるなどとしている。
同計画では併せて、38年度に給水量がピークを迎えると試算し、管路のダウンサイジングも視野に入れて計画立てしていくとしたほか、基幹管路の工事により、浄水場間のバックアップ機能の強化も図るとしている。