県こども政策課 県北児相現地建替え 31年度設計工費予算化へ

[2018/12/05 栃木版]
 県は狭あいで老朽化している県北児童相談所(那須塩原市南町7-20)が建替えられる見通しとなった。4日の県議会一般質問で、関谷暢之議員に森澤隆保健福祉部長が答えたもので、子どもや保護者のプライバシースペースを確保できる施設として、来年度から現地建替えに着手するとした。同施設は昭和40年に建築されたRC造2階建て・延べ325平方m。県こども政策課によると、新施設の機能や規模など31年度の予算配分を含め具体化は今後、庁内で検討していくとしている。

 同部では老朽化を理由に栃木市の県南児童相談所を28~29年度にかけて現地建替えを行った。同施設の構造と規模は、S造2階建て・延べ849.93平方m。旧施設の約2倍に拡張している。総事業費には4億3000万円を試算した。28年度当初予算では、29年度までの2カ年の継続費として3億3897万円を計上している。

 県南児童相談所の施設は、相談者のプライバシーに配慮した防音壁や職員と相談者の出入り口を区分するなど動線に配慮、障害者等の相談も考慮しエレベーターを設置するなど、バリアフリー仕様で整備している。

 具体的には、1階に事務スペース、待合室、プレイルーム兼相談室に加え、2階との往来を考慮した障害者用エレベーターを設置。2階には、相談室5室に判定室3室を配置した。

 県北児童相談所の建て替えは、現在の施設が経年劣化に伴う老朽化に加え、耐震性が低く地震による倒壊の危険性が懸念されるため。

 平成12年に児童虐待防止法が施行され、本県における児童虐待相談受理件数も、年々増加以降にあり、26年度における県児童相談所が受理した件数は県北・県央・県南の3施設で945件に上った。この数字は10年前の17年度の551件と比較して約1.7倍となっている。市町を合わせた26年度の受理件数は1694件。29年度には2214件に増え、このうち3児童相談所が対応した件数は1217件に上っている。

 県南児童相談所では、複雑で多様化する相談件数の増加に見合うよう、現在の3室から5室に増加。子どもの心理判定を行う判定室も3室に増やした。また、現在の施設は出入り口が1カ所しかないため、プライバシーの確保が難しかったが、外来者専用の出入り口を設けている。

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