1期整備で133隻分 ボートヤード/初弾工を年明け入札(石巻市 防災マリーナ)

[2018/11/27 宮城版]
 石巻市は26日、市役所で開かれた旧北上川水面利用者協議会に、防災マリーナ(仮称)の整備概要を示した。計画では、南浜地区の旧北上川河口部に、199隻のボートヤードや、駐車場、クラブハウス、固定式クレーン、海上係留施設などを設ける。このうち31年度までの1期整備で、133隻分を確保する考え。初弾工事は年明けに入札する見込み。
 防災マリーナの整備場所は、津波被害を受けた旧市立病院などの跡地で、聖人堀鐵工所が隣接している。敷地面積は約2.4ha。1期整備では約1.8haの敷地に、133隻のボートヤード、クラブハウス、作業棟(修理工場)、83台の駐車場を設けるほか、海上部に固定式クレーンや係留施設を配置する。
 1期整備のボートヤードはコンクリート舗装し、長さ5m未満が49隻、5~7mが62隻、7~10mが17隻、10m以上が5隻置けるようにする。
 クラブハウスは延べ約85平方mの規模で、事務室、多目的室、トイレ、シャワー室などを設ける。作業棟は約16m×約8mの大きさを想定。駐車場はアスファルト舗装する。
 固定式クレーンは上下架施設で、吊り上げ荷重が25tとなる。海上の係留施設は補助桟橋式で4隻分、ビーム式で46隻分を整備する。
 施設はこのほか、雨水排水用の側溝、汚水用の合併処理浄化槽、高さ1.8mの外周フェンス、照明灯、散水栓などを設置する予定だ。
 1期整備の工事は、陸上部の手が付けられる範囲を来年1月ごろに入札し、2月ごろの着工を目指す。海上部の工事は来年4~5月に発注する見通し。ただし、海上部の工事の一部を陸上部に混ぜて発注する可能性もある。32年3月の完成、同4月の供用開始を目指す。
 2期整備では、約0.6haの敷地に66隻のボートヤードや、48台の駐車場を整備し、暫定的に砂利舗装で仕上げる。2期整備の工事時期は、1期整備で造った施設の利用状況などを踏まえて判断する。
 防災マリーナの整備に向けては、陸上部の実施設計業務を三井共同建設コンサルタント(東北支社・仙台市青葉区)、水面部の実施設計業務を中央技術コンサルタンツ(東北支店・仙台市泉区)に委託した。
 現時点で整備可能な範囲の事業費は10億円超を試算。これまでに用地買収や設計などで2億円程度を使っている。30年度予算には防災マリーナの工事費に3億9400万円を計上した。
 南浜地区の旧北上川には、国土交通省北上川下流河川事務所が堤防を整備しているため、今後、防災マリーナの工事と調整が必要になってくる。
 完成後の防災マリーナは、指定管理者に管理・運営してもらう意向だ。
 26日の旧北上川水面利用者協議会には、亀山紘市長や、北上川下流河川事務所の高橋政則所長、石巻ヨットクラブの日下啓一事務局長など15人が出席し、防災マリーナについて話し合った。
 出席者からは、河口部の静穏度を保つために消波ブロックを設けてほしいといった声や、観光の視点をもっと入れるべきといった意見が出された。

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