発注平準化へ47億円債務 学校施設、リースで空調整備(県12月補正予算案)

[2018/11/15 千葉版]
 森田健作知事は14日の会見で、28日に開会する県議会12月定例会に提出予定の補正予算案の概要を明らかにした。一般会計の補正額は21億3,323万円で、同会計の総額を1兆7,393億4,700万円とするもの。31年度以降の指定管理者の指定に加え、県発注工事量の年度内での平準化を図ることを目的に、舗装道路の修繕費や道路改良費など、計47億2,600万円の債務負担行為を設定するのが大きい。

 今回の補正案による21億円余の増額分は、全て本年の人事委員会勧告に基づく職員給与の改定に伴う人件費。これにより同費の合計は5,291億1,850万円となる。

 工事発注量の平準化に向けた債務負担行為による措置は、昨年の12月補正予算でも実施されており、17事業に計28億円の債務負担行為を設定したが、今回は20億円近く引き上げる形となり、建設業界が発注時期の平準化に向けた取り組みを、県をはじめとする行政側に求め続けた訴えが一部実った格好となっている。

 今回は建設関連事業25事業について、いずれも30~31年度を期間として債務負担行為を設定する方針で、30年度内に契約し、年度内、または年度明け早々にも着工が図れる見通しとなっている。

 債務負担行為ではまた、県立学校への空調整備に限度額13億8,400万円を設定する。未設置となっている19校の普通教室について、13年間のリース契約で導入を図るもの。

 県立学校への空調設置について県は、気象庁が「災害級」と表した今夏の猛暑を受けるなどし、県立高等学校123校のうち、普通教室に空調設備が設置されていない20校への設置に向けて検討。今年の県議会9月定例会の一般質問に対し、森田健作知事が設置を表明していた。

 県立高校の空調設置状況については現在、全校で図書室と保健室、パソコン教室、事務室への設置が完了。普通教室については、成田空港の周辺など防音に対する処理が必要と認められた5校で県費による設置を済ませているものの、残る設置済みの98校の高校については、保護者が費用を分担する形で、リース方式などで設置されている状況になっている。

 今回の補正案では、房総のむらや県総合スポーツセンター、県国際総合水泳場など県有施設23施設の、31年度以降の指定管理者を33年度または35年度まで指定するため、合計108億9,200万円を設定する。

 主なものではこのほか、年度内に完了しない見込みの事業に繰越明許を設定。一般会計では合計53事業・221億3,068万円に及び、内訳は農林水産部が拠点漁港整備事業など9事業に21億7,265万円、県土整備部が広域河川改修事業など40事業に194億5,181万円となっている。

 特別会計でもまた、港湾整備事業で8,400万円、流域下水道事業で江戸川流域下水道事業建設費(補助事業)など4事業に18億0,900万円、土地区画整理事業では柏北部中央地区県単つくばエクスプレス沿線整備事業など12事業に38億1,795万円など、合計17事業・57億1,095万円で繰越明許を設定する。

 発注工事量の平準化に向けて債務負担行為を設定する建設関連の事業は次の通り。カッコ内は限度額(単位・万円)。
▽舗装道路修繕事業(17億)▽排水整備事業(5,700)▽交通安全対策事業(2億6,000)▽災害防止事業(9,400)▽道路維持事業(2,500)▽道路維持修繕(5,000)▽社会資本整備総合交付金事業(2億3,000)▽ふさのくに観光道路ネットワーク事業(広域連携)(7,500)▽県単道路改良事業(8億1,400)▽橋りょう修繕事業(2億7,500)▽県単耐震橋りょう緊急架換事業(1,000)▽広域河川改修事業(1億7,000)▽河川管理施設機能確保事業(1億8,000)▽河川改良事業(2,000)▽河川維持事業(7,400)▽砂防整備事業(600)▽海岸整備事業(5,700)▽県単港湾維持事業(1億7,000)▽県単港湾海岸整備事業(4,400)▽社会資本整備総合交付金事業(補助街路)(2,000)▽県単公園整備事業(8,500)▽印旛沼流域下水道事業(管理費)(1億1,200)▽手賀沼流域下水道事業(建設費)(3,600)▽手賀沼流域下水道事業(管理費)(1億1,700)▽江戸川流域下水道事業(建設費)(4,500)

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