日光土木の120号清滝 年度内発注で800m3車線 3段階に分け多車線化
[2018/11/13 栃木版]
県は日光市清滝地区の国道120号4.5kmの多車線化の計画で、今年度は日光宇都宮道路清滝ICから市道交差点まで800mの3車線化に伴う改良工事を年度末までに発注できる見通しとなった。清滝IC前の門型道路情報電光掲示板の移設協議が県道路公社とほぼまとまったため。県日光土木事務所によると、同区間は用地買収の必要性が無く、情報板の移設とともに、現道幅員内で側溝や区画線整備などの工事を発注していく見通しを示した。
4.5kmの多車線化は、3段階に分け順次、車線数を増やしていく計画。中間部の国道122号が分岐する細尾大谷川橋交差点で工区を分け、優先度の高い東側清滝ICまで2.4km区間の3車線化を第1期、西側のいろは坂に続く馬返まで2.1km区間の3車線化を第2期とした。
整備は渋滞緩和に向け、現道幅員の中で交通容量を確保していくことを前提に、当面は現行2車線を3車線、将来的には用地買収の伴う4車線化を計画したもの。同区間は余裕幅のある2車線道路で、行楽期などには120号に日光宇都宮道路が合流する清滝ICとの交差点がネックとなり、日光宇都宮道路等に長い車列が並ぶという。
県は当面の対策として、西進する中宮祠方面を2車線、東進の二社一寺方面は現行の1車線とし、清滝地区の中心部にアクセスする市道交差点まで800mについて3車線で整備する計画。同工事は来年のゴールデンウィーク(GW)に間に合わせるように完了させていく見通し。
第1期整備では、800mに引き続き122号分岐交差点までの1.6kmを3車線化。第1期完了後は、同交差点から馬返までの2.1kmの3車線化に取り組む第2期整備を計画している。将来的には第1期区間の4車線化を行い、交通容量を確保していこうというもの。
県は29年度、清滝地区4.5kmの渋滞緩和に向け交通容量を確保する道路交通の環境改善に着手した。具体的には、平面図化に加え、渋滞状況分析と交通量調査、観光動向・需要調査などの事前調査を行い、対策箇所の設計を実施。設計はピーシーレールウェイコンサルタント(宇都宮市)が担当。具体的な整備を進めていく今回の工事実施に当たる詳細設計についても同社が担当している。
調査に当たっては、国土交通省の29年度第1回官民連携による地域活性化のための基盤整備推進支援事業に県が応募し、採択されたもの。内容は日光地域における広域観光ルート構築のための交通基盤整備調査とし、事業費は3000万円。
県の調査は、日光地域を中心とした主要観光地を結ぶ広域観光ルートを構築するため道路機能を強化することが目的。民間事業者によるホテル建設に加え、公共交通のIT化と多言語化、路線バスの延伸などの取組みと合わせ、120号清滝地区の道路整備に関する検討を進めてきた。
120号清滝地区は、交通容量の不足により行楽期を中心に、著しい渋滞が発生。今後の民間事業者などによる中禅寺湖畔の開発などで、清滝地区における交通量の増大化が見込まれ、早急な渋滞対策の必要性が高まっている。
日光宇都宮道路との合流部から122号交差点付近までは、対面通行の2車線。現行の道路幅員で3~4車線の多車線化に拡幅可能な箇所もあり、用地取得は原則、北側の民地を拡幅し交通容量を確保していく予定とした。