9.5億でバイパス2.1km南進 真岡土木のつくば益子線長堤II 車道両側に副道5m 圃場小泉で用地創出し詳細設計へ

[2018/11/9 栃木版]
 県は、益子町の主要地方道つくば益子線長堤バイパス南進区間(長堤II)の法線を固め、現道タッチを集落に影響の少ない小泉地内とし、道路用地0.7haを今年度から事業着手した県営農地整備事業小泉地区の非農用地で創出する。概算延長は2.1km、事業費には9億5000万円を試算した。県真岡土木事務所によると、ルートは農地で比高を利用し、車道両側には農耕車両と歩行者・自転車が共存できるよう幅員5mの副道を確保、小泉地区農地整備事業の実施設計の成果を待って、31年度に道路詳細設計を発注する見通しを示した。

 長堤バイパスは、町中心部から道の駅「ましこ」が立地する一般県道西小塙真岡線との交差点まで3820mが事業化され整備を進めている。同県道交差点から南進区間については29年度、新規箇所として調査に着手。現道とどこの位置でタッチするか、複数案を概略設計で検討していたもの。概略設計は、富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)が担当している。

 整備中の長堤バイパスは完成4車線、暫定2車線による供用を計画しているものの、南進区間は交通量を考慮し車道のみ9mの2車線で計画。幅員構成は、車道3.25m×2車線の両側に路肩1m程度を確保する。集落道や農作業道など、複数の既設道路を拡幅改良する基本方針で法線を決めた。

 両側の副道は5mで計画。農耕車両を中央部、歩行者・自転車は両側の路肩部に通行帯を分離する予定。同区間には通学児童らもおり、安全性などを考慮して副道へのアクセスポイントを等間隔に5カ所程度に絞る計画とした。同地は比較的高低差のある農地が広がっており、車道に隣接して副道が確保できない箇所については、地形などを利用し車道と副道境への土壁等の設置の必要性などの検討も進めていく予定とした。

 ルート予定区間には河川も無く橋梁等の構造物に加え、雨水排水は農業用排水路を活用し、調整池などの構造物も計画していないという。主要交差点は北の西小塙真岡線と南の現道タッチの2カ所とし、これら2カ所では右折レーンなど付加車線を設置する計画。

 現道にタッチする付近では、小泉地区農地整備事業で非農用地として道路用地を創出。道路詳細設計は小泉地区の実施設計や換地業務が完了次第、31年度の上半期にも委託できるよう準備を進めていくとした。

 陶芸のまち「ましこ」には、茨城県西部地域からも多くの観光客が訪れているほか、同県道は桜川市の国道50号交差点付近で北関東自動車道桜川筑西ICにアクセスする。観光振興や交通量の増加を見込み、県は長堤バイパスの事業化を決め、北側の3820mについて20年度に着手。同区間の整備が進ちょくしてきたことから、29年度には南進区間のルート検討に着手した。

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