栗駒地区で治山事業 木鉢沢に堰堤など計画(県北部振興栗原)
[2018/11/6 宮城版]
県北部地方振興事務所栗原地域事務所は、栗原市栗駒地区の木鉢沢で治山事業を進める計画だ。堰堤の設置などを想定しており、対策検討業務を委託して具体的な工法を決める。年度内に事業計画をまとめて国に提出し、来年度の事業化を目指す。仮に事業採択されれば、複数年かけて事業を進めることになる見通し。
木鉢沢は幅が数mの沢で、常時水が流れている。現地には昭和40年代に造られた堰堤があるものの、一部で山の崩れなどが確認されており、近年のゲリラ豪雨などを考えると、防御機能が足りないと見ている。
既存の堰堤は、コンクリート製で幅が10~20m、高さが5~6mの規模。治山事業では既存堰堤を残したまま、その上流側か下流側に1基以上の新たな堰堤を設けることを想定している。斜面が崩れている複数の場所には、斜面を抑える工法も検討する。場合によっては待ち受け擁壁の設置になる可能性もある。
治山事業の対策検討業務は、件名が「木鉢沢治山事業推進対策事業業務」で、履行場所が栗駒沼倉大峰地区。11月8日に指名競争入札を開札して委託する。この業務で堰堤の規模や配置場所などを検討し、事業計画の作成に役立てる。履行期間は12月21日まで。
治山事業は、国の奥地保安林保全緊急対策事業の採択を目指す。31年度に採択されれば、同年度で設計業務に着手する見通し。
木鉢沢の下流には、住宅や農地、道路などが位置しており、豪雨時などに下流側へ被害が及ばないよう沢の安定化を図る必要がある。地元の栗原市からは治山対策が要望されている。