普通建設費22%増見込む 31年度の財政運営方針(柏市)
[2018/11/03 千葉版]
柏市財政課による31年度の予算編成方針を含む行財政運営方針と、10月末時点での予算の要求状況が2日、明らかになった。一般会計の歳出については、30年度の予算額1,244億6,000万円に対し、31年度の要求額は1,381億7,400万円と、137億1,400万円上回っている状況。歳出の要求額も1,315億4,000万円で、66億6,200万円のかい離(歳出超過)がある。今後庁内で折衝や査定などが続けられ、予算案としてまとまる見通しだ。
歳出の要求額を款別にみると、建設産業と関連深い土木費は141億5,700万円で、前年度当初比で7億7,000万円上回っている。このほか民生費の要求額は603億4,600万円で同44億1,000万円増、教育費は205億円で同76億4,400万円の増となっている。
財政課による31年度の見通しをみると、歳入面では5年連続で増収となっている市税収入を背景に、前年度当初比3・8%増の1,291億6,000万円を概算。一方の歳出面は同5・0%増の1,307億3,600万円で、15億7,600万円の不足が生じるとした。歳出のうち「普通建設事業費等」は149億円で、前年度当初比で22・6%増が見込まれている。
市では市税収入の増加が来年度も見込まれるものの、消費税率の改定に伴う影響や、公共施設の老朽化対策、社会保障関係経費の増加などといった財政需要への対応が必要なことから、多額の収支不足が見込まれるとしている。
予算編成の考え方として通達では、第5次総合計画の基本構想に掲げた▽子育て・教育環境の充実▽高齢者の健康・いきがいづくり▽地域特性を活かした活力のあるまちづくり──の重点目標に対し優先的に予算配分。施策・事業の重点化に向け、スクラップ&ビルドによる事業の「選択と集中」を徹底するとともに、後年度の財政負担にも配慮して施策の優先順位を明確化。持続可能な行財政運営の構築へ行財政改革の徹底や適切な市債の活用のほか、公共施設等総合管理計画の内容を踏まえ、今後の施設更新のあり方を十分に検討した上で施設長寿命化のための保全を図る。
行財政運営方針には、組織・定員管理方針や、人材育成方針についても示されており、このうち組織・定員管理方針については、簡素で効率的な組織編制を旨としながら、必要な体制の整備と人員を確保。持続可能な行政経営の実現に向け、職員定員の適正化を図るとともに、業務の合理化や効率化や民間活力の導入を図る。
人材育成方針についてもまた、団塊世代職員の大量退職に伴って世代交代が進んでおり、次世代を担う人材や実務に精通した人材を育成、職務のノウハウを継承することが急務だとし▽現状を変えられるリーダーシップに優れた職員の育成▽職員のモチベーションと能力の最大活用──をこれまでの方針に新たな視点として加え、育成を図るとしている。