民地取得の有無で2案 庁舎検討委に配置案示す(八千代市)

[2018/11/1 千葉版]
 新庁舎の整備を計画する八千代市の30年度第3回となる「庁舎整備基本計画検討委員会」(委員長・柳澤要千葉大学大学院工学研究科教授)が10月30日、同市庁舎で開かれた。議事では整備に当たっての基本計画案をまとめている梓設計(東京都品川区)により、途中経過として敷地内での新庁舎の配置を検討した素案が示された。隣接する民有地が取得できた場合としながら、既存庁舎の北西側に1棟を配置するA案と、取得できない場合のB案が示されている。

 A案の民有地が取得できた場合の配置案では、新庁舎を敷地北西側に整形に配置するとともに、車両の出入口とバス停などを含む車寄せを、現在とは反対側の北側の道路に設置。既存の別館と第2別館は改修して転用を図るとともに、平屋800平方mほどの倉庫を別棟として新築する。上下水道局は第2別館内に配置する。

 延床面積を1万8,500平方mとした場合、新庁舎は地下1階地上5階建ての構造となり、駐車場は平置き分で301台分、駐輪台数は167台分、バイク台数は74台分が配置可能。敷地から建築面積を覗いた30%に当たる5,534平方mの緑化が必要となるとした。

 A案について素案では、庁舎を住宅地からの離隔を確保した位置に配置することや、北西側にまとまった敷地を確保できるため、整形の使いやすい庁舎を建てることが可能だとしたほか、車両の主出入口を北側とすることで、ゆとりのある車寄せとバス停を設置可能である一方、駐車台数を十分に確保できず(既存庁舎は計512台)、必要台数を確保するため今後、立体駐車場の整備や上下水道局跡地の駐車場への転用などを検討する必要があるとした。

 一方の民有地を取得できない場合のB案をみると、新庁舎を設置するためのまとまった空地が確保できないため,第2別館を撤去した上で敷地北西側に不整形な形で配置することとになり、既存別館は改修して転用するとともに、上下水道局は新たに敷地北側に新築する。A案と同じく800平方m規模の平屋倉庫も新築する。

 庁舎はやはり地下1階地上5階建て、延べ1万8,000平方m規模とするが、北西側は日影規制により3階建てまでにしか建てられず、駐車場も173台分しか確保できない。

 B案では、西側住宅地に近接した配置となるため、周辺住宅に対する影響が懸念されるほか、敷地の制約条件から不整形の庁舎となるため、内部のプランニングに制約が生じ、敷地が狭いために十分な車寄せとバス停の確保が不可能となる。なお、A、Bいずれの案でも上下水道局は別棟とすることが想定されている。

 議事では新庁舎のほか、オフィス環境整備現況調査を進めているイトーキ(千葉支店・千葉市中央区)が中間報告し、既存庁舎の規模が職員数に見合っていない(狭い)ことを指摘する一方、1万8,500平方m規模とした新庁舎も、同規模の他の市と比較した場合、十分とは言えないとする報告もするなどしている。

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