三者会議の適切な実行を 県土整備部と意見交換(県建設業協会)

[2018/10/26 千葉版]
 30ikenkohkan県建設業協会(畔蒜毅会長)は25日、県土整備部との意見交換会を、千葉市内で開催した(写真)。地域建設業の経営基盤強化などを目指すため当日は、公共事業予算の安定的かつ継続的確保に加え、地域建設業者の受注機会の確保などを県に対して提案。さらに県が設計変更等ガイドラインに盛り込んだ、発注者と設計者、施工者による「三者会議」の適切な実行などを要望。今回から絞り込まれた提案事項に絡めた、具体例を含んだ質疑応答も行われ、腹蔵のない有意義な協議の場となった。

 当日は河南正幸部長をはじめ、県土整備部の各次課長や各出先事務所長ら38人が出席。協会からは正副会長や各支部長のほか、専務・指名理事、土木技術委員長ら21人が参加し、互いの意見を述べ合った。

 冒頭のあいさつで畔蒜会長は、大規模な災害が全国で発生し、その被害が激烈化するたび、地域建設業者に与えられた国土と住民の安全を守るという役割と、国土強靭化に向けた社会資本整備の重要性が「日々大きくなっている」と感じているとし、その中で同協会が「災害対応空白地帯」を発生させないことが最重要であることから、各支部でも水防訓練や道路清掃など、社会資本整備の重要性を知ってもらうための活動を継続しているとした。

畔蒜会長

畔蒜会長

 畔蒜会長は一方で、これらの継続に県内企業の経営基盤の強化・安定は「大前提」であり、公共事業予算の増額や施工時期の平準化、市町村による品確法運用指針への対応、働き方改革が不可欠で、景気の回復が実感できない中小建設業に欠かせない公共事業について、政府の大型補正予算や、さらに来年度の当初予算についても、今年度を上回る予算が確保されるよう、要望活動を強化していく旨を示した。

 

河南部長

河南部長

県土整備部からも河南部長があいさつ。日頃からの県の社会資本整備とともに「地域の守り手」として災害への対応など、県土整備行政に携わるものとして「非常に心強い限り」とし、重ねて謝意を表明した。

 河南部長は成田空港や千葉港など、大きな物流拠点を抱えた本県で、これらを結節させる幹線道路の整備は必要だとする一方、県民の生活を支える道路や河川、海岸、急傾斜地などへの対応を求められる中、地域を支えるのはやはり建設業界だとし、力を合わせて業界を成長させ、県土を守る環境づくりを県としても進め、若い入職者が増えるような、働き方改革に伴う取り組みに対する協力を求めていた。

 意見交換ではまず、県からの情報提供として、建設現場での快適トイレの普及制度や完全週休2日制モデル工事の試行状況、ICT活用工事の具体例などについて、一方の協会側からも建設業をPRする資料作りなどに取り組んでいることについてそれぞれ説明があった。

 意見交換では、財務省が先に、日本の社会資本整備は概成との見解を示したことに対する県の見解や、地域貢献度を考慮した地域建設業の受注機会の確保に向けた県側の取り組み内容を質(ただ)せば、県も総合評価方式での評価などを進めていることに理解を求めるなどした。

 会の最後には、県側を代表して神作秀雄災害・建設業担当部長が会を総括。あらためて働き方改革や担い手確保に向けた県の施策に理解を求めながら、実務担当者レベルでもフォローアップしていきたいなどとした。

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