候補地に青葉の森公園 県立図書館 文書館も複合化へ(県「知の拠点」会議)

[2018/10/24 千葉版]

提言書が手交される

提言書が手交される

 県教育庁生涯学習課が事務局を務める、第4回となる「新たな『知の拠点』づくり有識者検討会議」(主査・竹内比呂也千葉大学文学部教授)が23日、県庁内で開かれた。当日は「新たな知の拠点づくりへの提言」が取りまとめられ、そのまま教育庁側に手交された。会議の中では、新たな施設の建設候補地についても言及があり、千葉市中央区の青葉の森公園内を候補地としていることが明かされるなどした。

 候補地について県は、現在地と千葉みなと地区(NHK千葉放送局の隣接地)、県立中央博物館のある青葉の森公園の3カ所をリストアップ。スペース面などから青葉の森を最適地としているという。12月に予定されている次回会合では、公園内の動線なども検討するため、公園についての有識者を招く予定だとしている。

 提言のうち、施設・設備に関する考え方として、新たな施設は、県立図書館と県文書館を複合化した上で、文化情報資源を扱う機関との幅広い連携が実現可能な場所に整備し、県の新たな知の拠点にふさわしい、文化情報資源が集まる象徴的なエリアを形成することが望ましいとし、同時に県民および県の機関による利用や、県内市町村図書館との連携における利便性を考慮するとともに、自然災害への対応を考慮した立地であることが望まれるとした。

 加えて新施設では、知の創造と循環を促すため、利用者が文化情報資源を編集・加工・発信できる機能を提供すべきだとし、さらに整備においては、ユニバーサルデザインと空間効率性、新施設が取り扱う資料の性質などの観点を踏まえながら、適切な施設構成とゾーニングを検討し、図書館と文書館それぞれの独立した業務エリアと十分なバックヤード機能を確保しながら、機能が重なり合う部分における活動エリアの計画に配慮することを期待するとした。

 一方で竹内主査は、低減にも盛り込まれた、図書館と文書館、博物館の各専門家集団がそれぞれの専門性を維持しながら、幅広い文化情報資源の活用が目指せるよう、組織体制の考え方について、大変に重要で困難な課題だが、県当局に具体化に向けた議論を重ねるよう求めていた。

 会議は先のプロポーザルで選定され、基本計画の策定支援業務を手掛けている図書館総合研究所(東京都文京区)が進行。県はこれまでに、中央(千葉市)、西部(松戸市)、東部(旭市)の県立図書館3館について、1館に機能集約し、老朽化の進んだ中央図書館に替わる新たな県立図書館を整備する方針を示している。

 今後策定する基本計画では、新たな県立図書館(公文書館機能など含んだ複合施設を予定)の整備に向け、施設の建設場所に関する調査・分析や必要な施設機能、機能別の必要面積の算出、施設構成、整備スケジュールなどを検討している。

 図書館との複合化が示された現在の県文書館は、中央図書館から分離する形で、昭和63年に建設された。RC造6階建て延べ6,009平方mの構造・規模で、設備の老朽化のほか、書庫の収蔵率が約8割に達するなど、将来的な資料保管スペースの確保が課題になっているという。

複合化が提言された県文書館

複合化が提言された県文書館

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