働き方改革で意見交換 適正工期や労務費UPへ(東建連らと東北整備局)
東北建設業協会連合会(千葉嘉春会長)と東北公共工事品質確保安全施工協議会(村岡淑郎会長)は17日、東北地方整備局との意見交換会を仙台市内で開いた。協会側からは週休2日制の実現へ適正な工期設定や労務単価のさらなるアップを要望。また経営の安定を図るためにも資本整備に係る中長期的な投資の見通しを求める声が上がった。
会合には東建連から千葉会長はじめ6県建協会長ら幹部14人、品確・安全協議会から村岡会長ら17人、東北整備局から高田昌行局長はじめ12人が出席。非公表で話し合った。
高田局長は「東北がさらに元気になるには、道路・港湾など交通インフラへの投資、激甚化する自然災害への公助・自助・共助の総合的な防災・減災対策、そして新3Kの実現が重要だ。特に新3Kは官民が連携し、取り組みを加速していく」と力を込めた。
東建連の千葉会長は「地域の社会資本整備・維持管理・災害対応を担う地域建設業は将来にわたって社会的使命を果たす必要がある。そのためにも皆さまから、課題解決に向け率直な意見をいただき、関係機関に声を届けたい」とあいさつ。
会合では今後の東北地方の建設業のあり方に関する▽働き改革の推進▽建設産業の生産性向上▽地域建設業の将来展望──の3つを主なテーマに意見を交わした。
週休2日制では、工期設定に対する意見が多くみられ、宮城県建設業協会長でもある千葉会長は、現場で働き方改革を推進する中で工期は不稼働率(1.67倍)を基にした設定だけでなく、より柔軟に対応をしなければ達成は難しいと問題を指摘。また各県から稼働日数が減る分、労務単価のさらなるアップが必要との声も上がった。青森県の鹿内祐二会長は一斉統一閉所の試行結果を伝え、「4週6休が定着する中、業界全体の意識改革が必要」という会員の意見も紹介した。
生産性向上の話題では、ICT施工に対し「積極的に取り組みたいが対象の現場が少ない」や「発注地域に偏りがある」、「小規模工事では単価が割に合わない」などと意見。このほか、復興係数の継続や、災害出動時の契約書に第三者事故に対する補償を明記するよう要望。また建設業への理解を深める広報活動も必要との発言もあった。