橋りょう355橋点検 受注者7地区出そろう 補修工事に向け調査(宮城県土木部)
[2018/10/17 宮城版]
宮城県土木部は管理している橋りょうの点検作業について、業務委託する仙台ブロックと北部ブロック、登米ブロックの請負者を10月16日に公表した。いであ(東北支店・仙台市青葉区)ら3社に委託する。これで、すでに請負者が決まっている他4ブロックと合わせ、全7ブロックの請負者が出そろった。30年度は計355橋を目視点検し、長寿命化対策に向けた工事発注の段取りをつける。26年度から実施している橋りょうの点検は、本年度ですべて完了する。
橋りょう点検業務7件の委託に際し、宮城県は9月27日に一般競争入札を執行した。このうち、10月16日に公表された入札結果では、仙台ブロックをいであが3600万円で落札。北部ブロックは三協技術(仙台市青葉区)が2866万4000円、登米ブロックは東京建設コンサルタント(東北支社・仙台市青葉区)が2293万円でそれぞれ落札した。
他の4ブロックは、10月10日に落札決定している。大河原ブロックは千代田コンサルタント(東北支店・仙台市青葉区)、栗原ブロックは東京建設コンサルタント、東部ブロックは三協技術、気仙沼ブロックは八千代エンジニヤリング(北日本支店・仙台市青葉区)が担当する。
24年12月に中央自動車道・笹子トンネル(山梨県)で天井板が崩落する事故が発生し、道路構造物の老朽化が問題となった。以後、国は橋りょうやトンネル、歩道橋などの道路構造物について、近接目視による点検を5年に1度実施することを管理者に義務付けた。
宮城県は管理している全1785橋に関し、26年度から段階的に点検作業を行っている。29年度までの4年間で、1444橋の点検を終えている。5年目の本年度は全橋りょうの点検が完了し、31年度からは2巡目の点検に入る。
点検した1444橋のうち、健全とされる判定Iの橋は17.5%に当たる253橋。予防保全段階とされる判定IIの橋は884橋と最も多く、61.2%を占めた。早期に措置を講ずるべき判定IIIの橋は、21.3%に当たる307橋だった。緊急に対策を講ずるべき判定IVの橋はない。
本年度、点検する橋りょうは、橋長が15m以上の橋りょう161橋と15m未満の橋りょう194橋の計355橋。ブロックごとの点検数は▽大河原33橋▽仙台76橋▽北部78橋▽栗原31橋▽登米61橋▽東部37橋▽気仙沼39橋──となっている。すべて近接目視による点検を行い、橋ごとに点検結果の調書を作成する。15m以上の橋は、より詳細な調書を作成する。
点検結果を踏まえ、安全対策を講ずるべき橋については、31年度から段階的に長寿命化に向けた補修工事を発注していく方針だ。県は26~28年度に実施した点検で、188橋を修繕が必要な橋と判断した。すでに23橋の補修に着手している。
また、点検結果は今後、橋りょう長寿命化計画の見直しに際し、判断材料として活用していく。