大島で県道1km拡幅 大初平地区/本年度から工事発注(県気仙沼土木)
[2018/10/16 宮城版]
県気仙沼土木事務所は、気仙沼市大初平地区で県道大島線の延長約1kmを拡幅する。このうち450mは、その1とその2の2件に分け、年度内に工事を発注する見通し。その1工事は施工延長が320mで、5日に一般競争入札を公告しており、25日に開札する。その2工事は施工延長が130mで、路体・路床盛土や舗装工のほか、補強土壁工が含まれる。
大初平地区は離島の大島に位置しており、大島線が観光名所の亀山へと通じている。来春に気仙沼大島大橋(大島架橋)が開通すると、気仙沼本土から大島へと渡り、亀山を訪れる大型車両の通行が見込まれる。現道は幅員5mに満たない箇所があり、車同士のすれ違いが困難な状況のため、拡幅で全幅6.5mを確保する。
同事務所が車での観光ルートとして拡幅するのは、浦の浜のフェリー乗り場付近から亀山山頂までに至る区間のうち、未改良となっている県道区間。起点は同港より500mほど大初平よりの交差点で、終点が山頂より620mほど手前の市道亀山登山線との交差点。
この両交差点を結ぶ範囲は延長が約1.5kmで、うち約500mが改良済み。残る約1kmのうち、幅員が5m未満で車同士のすれ違いが困難な箇所を優先的に拡幅することにしており、その点在する対象箇所の合計延長が約450mになる。
本年度に工事発注するのは、この幅員5m未満の区間。その1工事は、施工内容が1280立方mの路体盛土、420立方mの路床盛土、舗装工など。工期は31年3月25日まで。予定価格は6115万7000円。
入札の参加資格は、登米・気仙沼地域に本社を置き、土木一式工事がA等級であることなど。22日まで入札参加、23~24日に入札書を受け付ける。
年度内にその2工事まで発注した後は、31年度以降に残る延長610m区間の拡幅工事を発注する。この区間も施工範囲が一連ではなく、数カ所に分かれる。工事内容は路体・路床盛土や舗装工となる。
大初平地区の道路改良に向けては、道路の詳細設計業務を北水コンサルタント(登米市)、補強土壁の詳細設計業務をいであ(東北支店・仙台市青葉区)に委託した。
既存の大島線は、亀山山頂の手前で亀山登山線と接続した後は、下り方向に転じる。山頂までは市道の亀山登山線が延びており、こちらも幅員が4.2~5.7mと狭いため、最低でも山頂下の駐車スペースまでに至る区間の拡幅が必要になっている。
以前は市営のリフトを使って亀山山頂へアクセスしていたが、大震災で被害を受けリフトは撤去済み。リフトの再整備に関する市の方針も示されていないため、亀山観光には道路でのアクセスが不可欠となっている。