「長年の夢」幕張で起工 JFAナショナルフットボールセンター(仮称) 施工は戸田建設(日本サッカー協会)
[2018/10/16 千葉版]
日本サッカー協会(JFA、田嶋幸三会長)が「長年の夢」としていた、日本代表チームをはじめとする、あらゆるカテゴリーの練習・強化の拠点となる「JFAナショナルフットボールセンター」(仮称)が、千葉市美浜区の県立幕張公園内で本格的な工事に入るのに当たり14日、現地で安全祈願祭と起工式が執り行われた。当日は田嶋会長のほかに加え、工事関係者ら10人で鍬入れが行われるなどし、長い工期中の無事故無災害を祈るとともに、32年3月の供用開始へ期待を込めていた。
今年4月から準備工事に入っていた同センターは、設計・監理を三菱地所設計・戸田建設一級建築士事務所JV、施工を戸田建設千葉支店、コンストラクションマネジメント(CM)を山下PMC・オオバJVがそれぞれ手掛ける。12万3,518平方mの敷地に2面の天然芝ピッチと、2面の人工芝ピッチを持ち、このうち人工芝ピッチ1面は千葉県サッカー協会が千葉県フットボールセンターとして整備。グラウンド部分は東亜道路工業が施工する。
建物では、大きな庇が特徴的な、選手用のロッカーやメディカルルーム、カンファレンスルームなどを備えるクラブハウス棟が2階建て延べ4,319平方mの構造・規模。フットサルや室内トレーニングが可能なアリーナは延べ1,581平方m、芝・外構管理棟
が延べ392平方mの規模となっている。31年12月の工事完成を目指す。
この施設についてJFAは、男女ユースからトップまでの選手育成と代表強化、指導者養成の三位一体に加え、サッカー普及の核とするほか、審判員の育成や海外チームの合宿なども受け入れる計画。また、県サッカー協会による主催試合や地域サッカー復興の活動も想定しているという。
厳かな神事による安全祈願祭に続く起工式であいさつに立った田嶋会長は「自前の施設を持つことは協会の長年の夢だった」と熱く語り、この施設にサッカーにまつわるあらゆる知見を集約して発信していきたいと力を込める一方、自身の子供が、隣接するZOZOマリンスタ
ジアムをホームとする千葉ロッテマリーンズのファンクラブに入っており、何度も足を運ぶとともに、同球団によるファンのための取り組みを見て「サッカーに足りなかったものを生かさせてもらった」と明かし、今後の連携にも期待を込めていた。
JFA・松崎康弘常務理事による工事概要の説明に続き、来賓からは森田健作知事があいさつ。「着工に至り本当に良かった」と喜ぶとともに、日本サッカーの最重要施設になると期待を込めながら、サッカーとともに千葉の魅力も伝えていきたいとアピール。地元である千葉市の熊谷俊人市長も、市とし
てここまで事業者と意見交換を繰り返してきたことを明かしながら、この地にスポーツを支える人が増え、これらが連携し、文化として根付いてほしいとし、市の海辺の活性化とボールパーク化構想の進展に期待を込めた。
事業者側からも、山下PMC・オオバJVの川原秀仁代表取締役社長社長執行役員、三菱地所設計の竹内晋一代表取締役副社長執行役員、戸田建設の今井雅則代表取締役社長もそれぞれの立場で祝辞。このうち今井社長は、今回のプロジェクトに提案から参加するなど思い入れが大きいとし、無事故無災害で工期内に完成させると誓った。この後、鍬入れが行われ、工事の安全が祈願された。