32年度から設計着手 湖北分署など 地区再編へ方針(我孫子市)

[2018/10/13 千葉版]
 我孫子市企画課は、湖北地区図書館や東消防署湖北分署など、いずれも築35年以上が経過するなど、老朽化が進み、そのあり方や再配置が計画されている湖北台地区にある公共施設について、第1期整備分の方針を明らかにした。特に老朽化が著しい3施設を第1期分として整備することとし、このうち湖北分署については中里地区の若草幼稚園西側に移設させるため、32年度にも基本・実施設計に着手、36年度の供用開始を目指すとしている。

 第1期整備分とされた公共施設は湖北分署(訓練施設含む)のほか、湖北台保育園、子育て支援施設わくわく広場の2施設で、これらについては湖北分署の跡地を含む敷地への整備などで検討を進めている。

 湖北分署についてこれまでに、同市に整備されていない訓練施設の整備を加える一方、既存の敷地では狭あいなことから、別の場所への移転を計画することとした。

 候補地としたのは▽中里地区▽都部地区▽下ケ戸地区──で、緊急車両の体制や管轄エリアの観点からの考察では中里地区が最も適しているという結果に。さらに消防署が災害拠点施設であるという観点で、3地区の地盤などを検証した。

 この結果、浸水レベルの高い下ケ戸地区は適さないとするとともに、その他の制約面などを総合的に勘案し、中里地区のうち若草幼稚園西側が最適地であるとした。さらに、訓練場と庁舎の配置についてもA~Hの8案の中からA案が適しているとしている。

 第1期整備分の残る2施設をみると、現湖北分署に隣接する湖北台保育園園舎については、子供の安全・安心な保育環境を確保するため、建て替えることとし、既存の保育園を運営しながら建て替えることから、隣地のわくわく広場の敷地内に、保育園園舎とわくわく広場の複合施設として整備することとした。

 一方で現保育園の用地はUR都市機構の所有地で、建設した昭和46年から無償で借り受けているが、URの財務健全化の取組により現地建て替えの場合は有償とする方針が示されているため、以降の用地活用については十分検討していくとしている。

 湖北分署の移転新築について想定されるスケジュールをみると、30年度は認定図書の策定と、これを経た事業認定、不動産鑑定などと並行し、31年度にかけて用地取得に着手。31年度はこのほか埋蔵文化財本調査に着手する。

 32年度からは1カ年半をかけて基本・実施設計をまとめるとともに、付け替え道路の整備を33年度にかけて進め、庁舎と訓練施設を34~35年度の2カ年で進める。

 湖北分署の既存施設はRC造平屋建て延べ201平方mの構造・規模。試算で新消防署は、庁舎が延べ約1,150平方m、訓練棟が延べ約600平方mの規模が必要とされている。

 湖北台保育園とわくわく広場については、31年度に測量、32年度に複合施設の基本・実施設計を進め、33年度の建設工事、34年度からの開園を目指す。複合施設は平屋建てで、保育園は延べ約530平方m、わくわく広場は延べ110平方m(共用部分含まず)が必要と試算した。

 今回の方針で第2期整備分とした▽湖北地区図書館▽湖北台行政サービスセンターと湖北台地区社会福祉協議会の事務室▽市民センターの会議室機能──について市は、施設の耐用年数を踏まえ、市の公共施設等総合管理計画などと整合を図りながら、市民らと意見交換を重ね検討していくとしている。

 湖北駅南側の湖北台地区には、昭和40年代前半に進められた住宅地開発とほぼ同時期に整備した湖北分署や湖北台行政サービスセンター、湖北台市民センター、湖北地区図書館などの公共施設が立地。いずれの施設も老朽化が進み、修繕や建て替えの必要が生じていたことから市は、平成17年度に図書館の整備の検討を開始。地元住民などと意見交換を重ねていた。

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