31年度策定で長寿命化3計画 県環境森林部 治山、林道、自然公園で 国交付金32年度から充当
[2018/10/11 栃木版]
県公共施設等総合管理基本方針に基づく個別23施設計画のうち、県環境森林部が所管する治山、林道、自然公園等の3計画について、31年度に長寿命化修繕計画の策定を予定している。環境省や林野庁は、長寿命化計画の策定を前提に、32年度から国庫交付金により調査設計や工事等の修繕費を助成するとしており、29年度治山は継続の治山施設の点検調査を14市町で行ったほか、林道では舗装約180kmを対象に定期点検を実施。県自然環境課によると、特殊建築物としてイタリア大使館記念公園別荘と中禅寺湖畔ボートハウスの2カ所について長期修繕計画を策定、中宮祠園地やしお橋は安全点検を行い計画に反映させていく見通しを示した。
県公共施設等総合管理基本方針は、28年度~37年度までの10年間を対象期間とし、基本方針に▽安全・安心の確保▽公共施設等の長寿命化▽公共施設の最適化-を挙げ、県民が必要とする行政サービスの維持と向上に取り組むとしている。取組方針では、施設類型(種別)ごとに23の個別施設計画で定めるとした。
実施方針には、[1]点検・診断等[2]維持管理・修繕・更新等[3]安全確保[4]耐震化[5]長寿命化[6]統合・廃止[7]総合的で計画的な管理を実現するための体制の構築-7項目について取組状況を示している。
個別施設計画のうち31年度策定予定の治山の対象となる全体施設は、渓間工8100基、山腹工1133haとし、渓間工が昭和30年代、山腹工は昭和55年から多くが施工されてきた。施工後、50年以上経過する施設として、渓間工が約30%、山腹工約18%とし、10年後に渓間工約48%、山腹工約30%、20年後には渓間工が約64%、山腹工は約51%としている。29年度の実績では老朽化対策工事として6件を実施、合わせて12件となった。
林道施設の長寿命化対策では、橋梁115カ所とトンネル4本を合わせ119構造物に加え、舗装区間が約180km、未舗装区間約50kmを管理。多くは高度経済成長期に整備され、建設後50年経過の構造物が全体の約35%とし、10年後に約58%、20年後には約76%としている。29年度は定期点検の実施と、その結果をデータベースに蓄積、維持管理業務に活用している。
自然公園等施設は、自然公園内の道路257km、園地・駐車場が48ha。内訳は、橋梁42カ所、車道11路線、桟橋8カ所、展望施設14カ所、駐車場46カ所。29年度は巡視時における施設の目視点検を6地区163カ所で行ったほか、(仮称)自然公園等施設改修計画に向けた対象施設の再選定などを実施。イタリア大使館別荘と中禅寺湖畔ボートハウスの特殊建築物2カ所については、現在実施している修繕工事に合わせ長期修繕計画を策定。同計画は県管財課が所管する個別施設計画のうち建築物に包含し、施工後の維持管理等に対応していく予定としている。