県建築物55棟を長寿命化 40施設で91修繕工事 31年度から5年間で70億
[2018/10/10 栃木版]
県は所有する庁舎等建築物の長寿命化工事の実施計画をまとめ、31年度から35年度までの5年間で総額70億円規模を試算していることが分かった。28年12月に策定した県公共施設等総合管理基本方針に基づき、計画的な予防保全工事を実施していくもので、県管財課によると40施設55棟で91工事に上るとしている。対象工事は、重点管理部材と耐用年数超過により劣化が著しい設備として、屋根・防水、外壁、受変電、空調、昇降機等の劣化度合いを判断するほか、安全性・効率性などを総合的に考慮し、優先順位の高い箇所から順次実施するとしている。 =4面に県有建築物長寿命化工事実施予定一覧
計画保全対象建築物は、個別に長寿命化保全計画等を策定し現在、計画的に修繕工事などを実施している学校や住宅を除き、優先的に長寿命化を図る県有建築物で、144棟のうち55棟が対象になるとした。
部局別内訳は、経営管理部が県庁舎や公館、地方庁舎など8施設13棟。県民生活部は栃木ヘリポート(航空隊事務所)と消防防災センターの2施設4棟が対象。環境森林部では、日光中宮祠の湖畔第一駐車場で防水・外壁改修を計画している。
最も多い保健福祉部は、福祉プラザや衛生福祉大学校、子ども総合科学館など9施設15棟とし、築40年を数える中央児童相談所では防水・外壁・受変電・昇降機といった総体的な改修を計画している。
産業労働観光部は、宇都宮産業展示館と国際交流センター。農政部では黒磯農場の防水・外壁と受変電施設に加え、宇都宮の農業大学校3棟の受変電設備を予定している。県土整備部は、矢板土木事務所ダム管理部が所管する西荒川・寺山・塩原・東荒川の4ダムの管理所で防水・外壁改修を行うとした。
教委では、教育センターやスポーツ施設の県北・県南体育館など5施設を対象に防水・外壁、受変電・昇降機の改修を計画している。警察本部は、航空隊庁舎や中戸祭待機宿舎、今宮職員住宅等7施設とし、防水・外壁改修を主体に修繕工事を実施する計画。
同課では当面、5カ年の実施計画としているものの、定期的に実施する劣化度診断の結果により、適宜見直しを行うとしており、具体的な事業箇所については毎年度の予算編成時に決定するとした。