地方の思いを国交省に 千建協が提案 予算や受注の確保(全建・関ブロ会議)

[2018/10/4 千葉版]
 全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)と、国土交通省らによる30年度のブロック会議が3日、関東甲信越地区を皮切りに始まった。1都9県の建設業協会で構成する関東甲信越地方建設業協会長会(会長・小俣務神奈川県協会長)は、会場となった東京都千代田区の経団連会館国際会議場から、本県協会からの要望である公共事業の予算増額かつ安定的・継続的確保、地域建設業の受注機会確保などを訴えた。30kan-blokaigi

 同会議には本県協会からも畔蒜毅会長をはじめ、高橋順一氏、小宮山房信氏、内山弘通氏、石井良典氏、金城総円氏の副会長5人と、大林正章専務理事の三役も揃って出席。冒頭のあいさつで小俣会長は、全国で災害が相次ぐ中、地域建設業の負担が増える一方、工事の発注は増えず、大手との格差が拡大し、政府が進める週休2日制など働き方改革についても「できるものならすぐにでも取り組みたい」と厳しい現状を憂えながら、同会議を「本省に思いを伝える唯一の場」だとし、地方の切実な実情を受け止め、適切な所見をいただきたいと訴えた。

 国交省からはまず、土地・建設産業局の野村正史局長があいさつ。災害の多発で「国土強靭化」が注目される中、必要な公共工事の予算要求をしていることに理解を求め、今後3年間で防災対策を強化する施策に「しっかり取り組みたい」との決意を示す一方、上昇を続ける設計労務単価を実賃金に反映させることや、建設キャリアアップシステムの運用について出席者らに理解を求めた。

 同省からは大臣官房の五道仁実技術審議官も、発災時にはガイドラインに基づき、積極的な随契発注に努めたいとした上で、現場の生産性向上を目指す同省のさまざまな施策が地域に根付くことに願うとしながら、大手から中小、中央から地方への波及はこれからだとし、地域建設業に「新3K」が広まることに期待を込めた。

 さらに関東地方整備局の石原康弘局長も、同整備局が打ち出した「地域インフラサポートプラン」に基づく取り組みを進めていることを説明。働き方改革と生産性向上はセットだとし「発注者側ができることは何でもやる」と意欲を見せていた。

 最後に全建の近藤会長が、昨年の「建設産業政策2017+10」で地域建設業の役割が示されるとともに、今年3月に策定された「建設業働き方改革加速化プログラム」に伴い、大臣とも意見交換を行うなど発注者との意識の共有を図っていることを説明。地域建設業にとって健全で安定した経営環境のため、中長期的な視野に立って、解決すべき課題を忌たんのない発言を求めるとした。

 議事では各協会が持ち寄った要望事項が示されるとともに国交省側がこれに回答。本県の高橋副会長が説明した要望事項に対し国交省側は、必要な予算の安定的かつ継続的な確保に理解を示した上で、31年度の当初予算要求で前年度の1・19倍の予算を要望していることや、防災・減災や老朽化対策に注力する方針であること、編成が指示された補正予算についても動向を注視していることを説明、理解を求めた。また、議事終了間際に本県の畔蒜会長が、請負契約である建設業の適正な工期や賃金について、確かな目標値が必要であると訴える一幕もあった。

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