堤防と兼用へ国道改良 阿武隈川下流/柴田町内の750m区間(仙台河川国道)
[2018/10/3 宮城版]
国土交通省仙台河川国道事務所は、阿武隈川下流の柴田町下名生(しものみょう)地区で堤防を拡幅することに伴い、背後を通る国道349号の延長750m区間を堤防と一体化する意向だ。一体化に向けた道路の予備設計業務を委託するため、9月28日付で一般競争入札を公告した。30日に開札する。
同地区の河川堤防は、背後に住宅や工場、学校などの公共施設があり、浸水すれば重大な被害が懸念されるため、緊急的に拡幅する。対象延長は約3.5km。堤防決壊時に想定される約2000戸の浸水被害を防ぐことが主な目的。
堤防の拡幅に向けては、27年度に予備設計業務を三井共同建設コンサルタント(東北支社・仙台市青葉区)、28年度に詳細設計業務を東京コンサルタンツ(東北支店・仙台市青葉区)に委託した。
9月28日付で入札公告したのは、同地区の堤防測量設計業務で、築堤の修正設計や、国道349号の道路予備設計、平面交差点の予備設計、軟弱地盤技術解析などを行う。履行期間は31年3月20日まで。
入札の参加資格は、東北地方整備局から土木関係コンサルタント業務の資格認定を受けている単体企業、または同業務か測量、地質調査業務の資格認定を受けている設計JV。9日まで参加申請書、29日まで入札を受け付ける。
堤防の拡幅は3月に、初弾工事を春山建設(岩沼市)に発注した。延長約350m区間を対象に、腹付盛土やのり面整形、植生工、舗装工などを進める予定になっている。
樋門の予備設計も公告
同事務所は9月28日付で、阿武隈川下流下名生地区の樋門等設計業務について、一般競争入札を公告した。同事務所では初の電子契約試行対象案件となっており、9日まで参加申請書、29日まで入札を受け付け、30日に開札する。
この業務は、河川堤防の拡幅に伴い、既存の樋管1カ所を延伸するため、予備設計をまとめる。併せて、拡幅で支障となる既存の揚水機場を造り直すため、詳細設計を作成する。履行期間は31年2月28日まで。
入札の参加資格は、東北地方整備局から土木関係建設コンサルタント業務の資格認定を受けている単体企業、または同業務か測量の資格認定を受けている設計JV。
電子契約の試行は、紙の契約書を持参か郵送する代わりに、電子契約システムで契約手続きを行う方式。同事務所では本年度、今回の業務1件と、今後に発注する工事1件で試行する。
下名生地区の堤防に備わる既存の樋管は計6カ所で、いずれも拡幅に伴い延伸する計画。昨年度は樋管1カ所の概略設計業務を建設技術研究所(東北支社・仙台市青葉区)に委託した。残りの樋管の設計業務は別途、委託する。