アジア航測で耐震調査 緊急輸送道路沿いの建築物(県建築指導課)
[2018/9/28 千葉版]
県土整備部建築指導課は、27日に開札した一般競争入札で、30年度の緊急輸送道路沿道の建築物を対象とした耐震化状況調査業務をアジア航測(千葉支店・千葉市中央区)に委託した。落札額は1,320万円(予定価格は1,805万円、ともに税抜き)。業務の履行期間は31年3月15日までとし、地震などで倒壊し、道路を塞ぐ可能性のある建物を抽出し、リストの更新を図る。
この業務は、緊急輸送道路の沿道にある建築物などの現状を調査し、耐震改修促進に向けた基礎資料とするためのもので、耐震改修促進法や、県の耐震改修促進計画に基づいて、建物が倒壊するなどして道路を閉塞させ、円滑な避難が困難となる事態を防止するのが目的。
県は通行障害建築物の該当条件として、建築物のいずれかの部分の高さが当該部分から前面の道路の境界線までの水平距離に、前面道路の幅員の2分の1(道路幅員が12m以下の場合は6m)を加えた値を超える建築物を設定。車載写真レーザー測量の対象となる路線延長として約266・1kmを想定したほか、測定不能箇所といった場合の現地測定を、現時点で高さが不明な沿道建築物1,232棟の5%に当たる62棟、位置図・調書の作成1,687棟(うち調書作成は1,232棟)、現地調査によるアンケートも、同様に1,687棟を予定している。
レーザー測量で通行障害となる建物の候補を抽出した後は、その高さや道路からの距離を求めた上で、さらに昭和56年5月以前の旧耐震基準による建物であることを確認するなどして建物を確定。リストを更新するとともに、アンケートでは建物の建築時期や耐震診断・改修の有無、対応予定などを所有者に対し調査する。
緊急輸送道路は、大規模な災害が起きた場合に、避難や救助をはじめ、物資の供給や施設の復旧など、さまざまな応急対策活動を広域的に実施するため、非常事態に対応した交通の確保を図ることを目的にあらかじめ指定するもの。
さらに隣接都県との連携強化と、県庁と主要都市などを互いに結ぶ高速道路や一般国道、かつこれらを連絡する幹線道路と、これらの道路から県の本庁舎や県土整備部の出先機関、空港、主要港湾へ通じる道路などを「緊急輸送道路1次路線」として、本県では44ルート、1,454・3kmが指定されている。
加えて、その1次路線と市町村役場、救急物資などの備蓄地点といった主要な防災拠点を互いに連絡する幹線的な国・県道、市町村道を「緊急輸送道路2次路線」として、64ルート、710・3kmを指定。緊急輸送道路のうち、県が管理する補助国道が約688km、県道が約751kmとなっている。