「BTO方式が最適」 小中学校への空調設置(八千代市)
[2018/9/26 千葉版]
八千代市教育委員会は、小中学校への空調設備の整備事業について、PFI手法等導入可能性調査の結果をまとめた。従来方式とDBO方式、PFI(BTO)方式、リース方式の4つを比較調査した結果、財政負担軽減額効果(VFM)などから「PFI(BTO)方式で空調設備を整備することが最適である」と結論付けている。さらに同教委では、32年9月に稼働させるスケジュールについて、今夏の猛暑を受けて公募を前倒し、32年7月の稼働を目指す方針も示した。
同教委は今年5月の指名競争入札で、市立小中学校空調設備整備事業PFI手法等導入可能性調査業務を三菱UFJリサーチ&コンサルティング(東京都港区)に委託。8月末を履行期限に調査を進めていた。
調査の対象としたのは小学校22校と中学校11校の計33校で、普通・特別教室などへの空調設備の新規整備637室と、既設の特別教室などの空調設備の維持管理255室を想定した。
調査に当たっては、空調設備整備事業に対する民間事業者の意見の把握を目的に、民間事業者に対して参入意向などに関する調査も実施。この結果、地元事業者も含めて参入意向を示す民間事業者が複数者(社)いることを確認する一方、事業手法については、PFI(BTO)方式を希望する意見と懸念を示す意見の双方があったという。
調査ではまた、空調設備を従来方式により整備する場合と、PFI(BTO)方式により整備する場合の事業期間中の財政負担額を比較してVFMを算定。結果PFI(BTO)方式により整備する場合、事業期間中の財政負担額が約6%削減できる結果となり、同方式による整備が最適だと判断したとしている。
一方でBTO方式の課題として、財政負担の軽減とともに、良質なサービス確保が重要であるため、事業者の選定に当たって価格面と定性面(内容面)の双方を適切に評価することや、選定に際して地元企業に対して十分に配慮するとともに事業者が参画しやすいスキームとすること、できるだけ民間事業者の裁量範囲を確保することなどを挙げている。
スケジュールとして同教委は当初、31年度に事業者を公募・選定し、事業契約を締結、32年度の空調設備の設計・施工と空調設備の引き渡し、稼働開始と、45年度までの維持管理業務を想定していたが、32年7月の稼働のため、事業を前倒して進めていく方針だ。
市では26日まで開会中の市議会9月定例会に追加提出した一般会計補正予算案(第4号案)に、期間を30~32年度、限度額を3,300万円とする小中学校普通・特別教室等空調設備整備PFI事業実施支援業務委託の債務負担行為を設定している。