RC造延べ2000平方mを想定 市川南ポンプ場の計画概要(市川市)

[2018/9/21 千葉版]
 市川市河川・下水道建設課は、30年度に樋管工事から着手した市川南ポンプ場の新造について、8月29日に実施した住民説明会の内容を明らかにした。36年春の供用開始を目指す同ポンプ場の本体は、構造・規模としてRC造地下2階地上3階建て延べ約2,028平方mを想定(建築面積約970平方m)。計画排水量を毎秒約10立方mとし、既設の大和田ポンプ場、秣川(まぐさがわ)ポンプ場とともに、市川南地区の排水能力を毎秒60立方mにまで引き上げる。

 市川南ポンプ場は、おおむねJR市川駅から東京側の市川南1~5丁目や、市川1、2丁目の一部(第1排水区約70ha)の雨水を江戸川へ排水する施設。市は30年度の下水道事業会計予算で、30~35年度の6カ年総額66億7,500万円(30年度は5,000万円)の継続費を設定。これとは別に、市川南排水樋管建設事業費として同様に、30~32年度の3カ年総額7億円(30年度は3億2,000万円)を計上している。

 大和田ポンプ場が稼働を開始したことを受け、市は30年度から市川南ポンプ場の整備に着手。国土交通省関東地方整備局(江戸川河川事務所)が、江戸川堤防の一部の開削を含む雨水を放流する幅2・5m×高さ2・0mで延長74・0mの函渠を築造するほか、樋門に加え小型水門や管理橋などの製作据付工などを、今秋~来春など渇水期を中心に、32年3月を工期末として施工する準備を進めている。

 また、31年度以降のポンプ場本体や、そのポンプ場に流入する管渠については県下水道公社に委託して進める予定だ。

 計画によると、本体の設計業務は基本設計をエヌ・エス・シー・エンジニアリング(東京都台東区)、詳細設計を日水コン(千葉事務所・千葉事務所)がそれぞれ担当。建設場所は、市川南3-2357ほかの敷地3,167平方mで、JR総武本線の江戸川橋梁の左岸部下流約0・5kmに位置。市は今年2月までに同地の用地取得を完了させている。

 計画概要に示されたスケジュールによると、県下水道公社が31年度から流入管渠の整備に着手。32年度前期をめどに完了させるのに続けて、ポンプ場本体工事に着手。ポンプ場の稼働以降は、雨水管の整備を進めていく。

 JR総武本線の海側、同市の中央部に位置する市川南排水区は市内でも都市化の進展が著しく、雨水が地面に浸透しにくくなったことなどで、降雨時に浸水被害が発生することが多くなり、また、外環道が半地下構造として計画されたことで既存の雨水排水路が分断されることになったため、市は排水計画を見直し。外環道整備に併せたハード対策を進めることにした。

 市川南排水区全体541haについてはこれまで、1秒当たり23立方mの排水能力を持つ秣川ポンプ場1カ所のみで江戸川に排水していたが、排水区を分割して大和田ポンプ場と市川南ポンプ場を追加整備し、計3施設で1秒当たり60立方mの排水能力を持たせることとし、市では外環道東側のエリア(市川南第4排水区)244haの排水を受け持つ毎秒排水能力27立方mの大和田ポンプ場の新設を先行することとし、日本下水道事業団(JS)に委託して24年度に着工。29年4月に供用させている。

 説明会当日はこれらの資料提供のほか、市川南ポンプ場を基本的に遠隔監視および操作で無人で管理することなどが説明されるなどしている。

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