蔵王町円田で落石対策 県道白石上山線 工事は31~35年度 総事業費3.5億円(県大河原土木)
[2018/9/20 宮城版]
県大河原土木事務所は、蔵王町円田の県道白石上山線で災害防除工事を実施する。落石などが懸念される斜面4カ所を対象に、ネット工やアンカー付きのり枠工などを施す計画。疣岩(いぼいわ)災害防除事業として本年度に設計や測量を行い、31年度に着工、35年度の対策工事完了を目指す。総事業費は約3億5000万円を見込む。
対策個所は、県道沿いの同町円田土浮山の疣岩エリア(位置図参照)。県道白石上山線の山側斜面で、のり面崩壊などが数カ所確認されている。今事業では落石や土砂流出により通行に支障が懸念されるエリア内の4カ所を対象に、斜面の地形や地質、勾配などを踏まえ、予防工と防護工を施す。
4カ所の状況と想定対策を見ると、山側のり面[1](蔵王町役場寄り)は、のり面勾配50~70度と急だが未対策の箇所。石の抜け落ちや風化による落石が危惧されている。約1000平方m範囲でネット対策工を採用する見通し。
山側のり面[2](中間のり面)は勾配が80度以上とかなり急で、こちらも未対策。のり面から道路までの余裕がないため、約2400平方mを対象にアンカー付き現場打ちのり枠を採用し、石の抜け落ちやのり面崩壊に対応させる。
刈田温泉側の山側のり面[3]は、75度と比較的急で、すでにネット対策工が設置されている。落石や降雨によるのり面崩壊の危険性があることから、約560平方mでモルタル吹付工を併せて施して落石を防除する。
同じく同温泉側の山側沢地形[4]では、過去に道路まで土砂が流出しており、H鋼による待ち受け対策工が設置済み。沢地形のため雨で再び流出する可能性があり、恒久対策として重力式擁壁工の採用を検討している。
工事に向けた調査設計は地圏総合コンサルタント(仙台支店・仙台市青葉区)が担う。各対策工法の詳細設計のほか、地質調査と立木調査も行う。履行期間は31年1月25日まで。測量業務はアドテック(仙台市宮城野区)に委託。基準点測量や路線測量0.5km、用地測量2.5haなどを31年3月25日までにまとめる。
対策工事は来年度から順次着手する方針で、現在のところ工事は4カ所別発注とし、31年度に[3]、32年度に[4]、33~35年度にかけて[1]と[2]の施工を進める見通し。