茂木南部水路6.9kmを5分割 芳賀農振30年度事業概要 15地区に5.8億投入 八幡池は暗渠工34m推進工
[2018/9/19 栃木版]
県芳賀農業振興事務所は、県営農業農村整備事業の30年度整備計画概要をまとめた。調査計画地区を含む15地区の事業費は5億8518万円。中山間茂木南部(茂木町)は、用排水路工6.9kmを5件に分け9月に発注するほか、2地区の道路工1.9kmは12月までに予定した。八幡池(益子町)は県道を横断する暗渠工34mに推進工を採用。新規では、小泉・本沼(同)と穴川用水大前堰(真岡市、茨城県筑西市)が調査設計を行い、31年度の工事に備えるほか、畦畔を除去し区画拡大を見込む西宿(市貝町)は11月の工事発注に向け設計を固めていく。
事業費が重点配分されたのは茂木南部2億3300万円。水路工の対象地区は、飯上(L2430m)、北高岡甲上堀・小山・飯中(L1263m)、北高岡甲新堀(L885m)、林・鮎田上(L1482m)、小貫(L840m)の各地区で施工する用排水路工を5件に分け、9月にも発注。水路工の標準断面は、300×300ミリと400×400ミリ。集落道の改良舗装では、深沢(L1500m)と小貫中地区(L400m)を施工するため、年内にも工事を発注する計画。既設道路の法線改良と舗装で、小貫中が幅員4.0m、深沢は3.5mを確保する。
打越新田は事業終盤。施設台帳の整備を八汐コンサルタント(宇都宮市)に委託した。
益子町の八幡池は、▽池浚渫による貯水容量1万2000立方mの確保▽取水施設2カ所の改修と簡易スライドゲートの設置▽排水容量を向上する流入調整桝設置とボックス工による排水路の更新-などを計画。今年度は県道つくば益子線下の暗渠工34m(φ1500)に推進工を採用。工法の変更で事業期間が31年度までの1年延長、事業費も約5000万円増の1億2500万円程度になる見通し。測量設計は第一測工(同)が担当している。
農道の舗装工事は、高田3(真岡市)、星の宮(益子町)、文谷(市貝町)の3地区。河川協議が必要な文谷地区を残し、2地区の工事発注は完了しており、31年度の残延長は高田3が370m(全体延長1370m)、星の宮1428m(同3150m)、文谷1420m(同3180m)。いずれも全幅5.0m(表層工4.0m)で施工する。
基幹水利施設ストックマネジメント事業は、国営事業で整備した芳賀台地の施設修繕。今年度は森田頭首工の洪水吐ゲート塗装と水密ゴムの交換を行うほか、緊急性を考慮し他の施設でも長寿命化対策を検討している。
新規の西宿は、農地耕作条件改善事業を導入し、赤羽西部圃場整備地内の一部の大区画を実施する。畦畔除去による区画拡大で、整備後の1区画当たりの面積は平均1.2ha程度を想定。実施設計を第一測工、工事は11月にも発注する見通し。
経営育成基盤整備の小泉・本沼地区は、31年度からの面工事等に備え実施設計を宇都宮測量(同)に委託。全体の面整備は53.4haで、小泉地区を中心とする41.4haの畑地と本沼地区の水田12haを対象に、両地区にはため池を1カ所ずつ新設するほか、畑地の用水路のパイプライン化に加え、水田には暗渠排水を計画した。
穴川用水大前堰は、洪水吐ゲートの更新で、現在と同じ鋼製の自動転倒ゲート(B18.5m×H1.6m×2門)とし、下部工は既設のものを利用する計画。今年度は測量設計をまとめ、31年度の本工事に備える。実施設計は八汐コンサルタントが担当。
圃場整備の計画樹立を目指す椎谷の受益面積は28.3ha、芳賀町北部第2は205haに見直したほか、稲毛田(芳賀町)は25haを対象に計画設計を進め、31年度の計画樹立を目指す。
今年度の事業概要は次の通り。([1]事業費[2]事業内容[3]発注予定時期と件数[4]事業期間、単位・万円、▼新規)
【中山間総合整備事業】
▽茂木南部(茂木町)=[1]2億3300[2]用排水路工6.9km、道路工1.9km[3]9~12月、7件[4]23~31年度
【経営体育成基盤整備】
▽益子西部(益子町)=[1]600[2]換地業務一式[3]発注済[4]22~30年度
▽打越新田(芳賀町、宇都宮市)=[1]800[2]換地業務一式、施設台帳作成[3]発注済[4]25~31年度
▼小泉・本沼(益子町)=[1]3200[2]換地業務一式、実施設計(外業調査等)[3]発注済[4]30~35年度
【畑地帯総合整備】
▽石島(真岡市)=[1]250[2]換地業務一式[3]発注済[4]21~30年度
【農村地域防災減災事業】
▽八幡池(益子町)=[1]5400.8[2]暗渠工一式[3]9月[4]29~31年度
▼穴川用水大前堰(真岡市、茨城県筑西市)=[1]2200[2]実施設計[3]発注済[4]30~31年度
【農地耕作条件改善事業】
▼西宿(市貝町)=[1]4000[2]圃整工12.6ha[3]委託発注済、工事11月、2件[4]30年度
▽高田3(真岡市)=[1]1935[2]舗装工435m[3]発注済、1件[4]29~31年度
▽星の宮(益子町)=[1]1755[2]舗装工367m[3]発注済、1件[4]29~31年度
▽文谷(市貝町)=[1]2385[2]舗装工600m[3]9月、1件[4]29~31年度
【基幹水利施設ストックマネジメント事業】
▽芳賀台地1(益子町、茂木町、市貝町、芳賀町、那須烏山市)=[1]8344.2[2]塗装工など[3]10~11月、2件[4]26~30年度
【農業農村整備事業計画調査】
▽稲毛田(芳賀町)=[1]1050[2]計画設計25ha[3]発注済[4]29~31年度
▽椎谷(市貝町)=[1]900[2]計画樹立28.3ha[3]発注済[4]28~30年度
▽芳賀町北部第2(芳賀町)=[1]2400[2]計画樹立205ha[3]発注済[4]28~30年度