115カ所に51.3億投入 大田原土木30年度事業概要 新規に下西の入沢堰堤 野崎こ線橋通りは詳細設計

[2018/9/13 宇都宮版]
 県大田原土木事務所は115カ所に51億3000万円を投入する30年度の事業概要をまとめた。内訳は、道路・街路事業が90カ所43億3000万円、河川・砂防事業は24カ所で7億3000万円、受託は農政部の県北家畜保健衛生所整備地の造成工事で7000万円となった。新規では、大田原市で野崎こ線橋通り940mの整備に向け橋梁詳細設計に着手するほか、鹿島川は調節池を主体とする治水対策に検討を加え国道400号神明橋を架け替えるため設計、下西の入沢では堰堤1基の施工に向け測量調査や詳細設計を実施。那須町では矢板那須線広谷地交差点に右折レーンを設置して渋滞を緩和する改善に着手する。 =2面に事業予定箇所

 県単を充当した新規調査箇所は3カ所。大田原市の中田原寒井線小滝東が延長900m区間で片側歩道2.5m、那須塩原市では矢板那須線の相の沢(宇都野)で矢板市との狭あいな境界付近500m区間の拡幅改良、那須町の大子那須線の富岡は芦野小学校付近300mで2.5mを確保した歩道整備。いずれも平面図化を行うほか、富岡では路線測量を実施する計画。

 国庫充当を見据えた継続調査箇所は、大田原市で街路事業の3・4・1号中田原美原線城山(国道461号)650mを拡幅改良、同工区の金燈籠交差点を超え西進区間となる400号新富町は氏家大田原線との交差点付近における線形改良、那須町の豊原高久線高久駅前は狭あい区間を回避するバイパスを整備する。中田原美原線は全幅15.0mで都市計画決定しており、今年度は路線測量・道路設計を委託し道路計画を固めていく。新富町は交差点付近でクランク状になっており、中心線測量の成果を基に鹿島川改修に伴う神明橋架け替えの設計を進め道路法線を精査する。高久駅は駅前の狭あい区間の拡幅を含め2200mの道路法線を決め路線測量に備えていく。

 大田原市の道路事業のうち大田原氏家線親園佐久山バイパスは、佐久山地内の矢板那珂川線から親園地内のライスラインまでの延長2180m(W12.0m)で一級河川佐久山川を渡河するボックス工に着工するほか、箒川の橋梁は工事に備え詳細設計に移行。予備設計では147m規模、3径間連続鋼I(少主)桁とした。

 拡幅改良を含めた交通安全施設整備では、継続の滝沢野崎停車場線・中薄葉(30年度完了予定)、那須黒羽茂木線・中野内などを対象に、用地補償を進め小学校児童らの通学歩道を確保、改良工事などを発注していく。県単の親園南金丸線・宇田川南は、宇田川小北側の延長170mを対象に片側歩道2.5mを確保し全幅10.0mで整備する。一級河川不動川を渡河する側道橋は、31年度の架設工事に備え橋長16.6m(W2.0m)、上部形式が中路式鋼床版、下部工は直接基礎重力式橋台に決めた。

 那須塩原市の街路事業では、都市計画道路3・4・15号黒磯本通り(一般県道黒磯停車場線)270mについて、現道幅員16.0mに両側歩道3.5m、車道の両端には自転車専用帯1.5mを確保。28年度補正で北側の電線共同溝に着工、事業完了を見据え今年度は舗装工を発注する。

 矢板那須線堰場工区は用地補償を継続し、下部工の一部発注を目指す。現道西側へ約980mの線形改良を実施するもので、架け替える堰場橋の新橋は65.6m規模、2径間連続非合成鋼鈑桁(少主桁)、主構造を耐候性。下部工は直接基礎逆T式橋台2基、直接基礎小判柱壁式橋脚1基で構成する。

 拡幅改良を含めた交通安全施設整備では、西那須野薄葉線・太夫塚、折戸西那須野線・接骨木、西那須野那須線・埼玉、関谷上石上線・下田野などで、用地補償や歩道設置工事を進めていく。西那須野地区の道路整備では雨水対策に浸透池を計画しており、太夫塚や埼玉工区などで設置工事を進めていく。

 那須塩原市と那須町を結ぶ西那須野那須線バイパスは、那珂川を渡河し現道の上流側にバイパス2070mを整備、このうち橋梁部は245mを試算した。堤内地に計画する調整池2基は右岸が509立方m、左岸は1556立方m、無堤防区間のある那須町側の護岸工1204mを施工する。今年度は那須塩原市側の用地補償を推進、那須町側は地籍調査の成果を基に用地補償に着手していく予定。

 交付金に変更した稲沢高久線は、クランク状になっている狭あい区間の芦ノ又地内1600mのうち、当面はクランク前後750mの改善に向け用地調査を進め用地補償に着手。計画では9.5mに拡幅し、車道6.0mの両側にゆうゆう路肩1.75mを設置。クランク状の急カーブは法線を是正し、交通の安全を確保する。

 新規の大田原市南方地内の下西の入沢は、一級河川武茂川の支渓。国庫申請の予備設計で堤高12m、堤長37mを試算し、今年度は詳細設計を行い諸元を固める。保全対象は川上健康増進センターと一般県道南方須佐木線150mに加え、人家4戸。事業費には2億5000万円を試算した。

 道路保全事業では、塩原温泉で400号鹿股橋の上部工を第3四半期に発注。下部工は既存橋梁を活用、31年度までの2カ年の債務負担行為を設定し製作・撤去・架設を行う。橋長は40.9m(W13.5m)で、上部形式が単純非合成I桁。

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