資料作りへ現況測量 武蔵野線沿線のまちづくり(市川市)
[2018/9/13 千葉版]
市川市都市計画課は、かねてから検討を重ねている柏井町2丁目周辺を中心とするJR武蔵野線沿線のまちづくりについて、30年度は現況測量を進める。業務については、今月27日に開札を予定している一般競争入札(事後審査型)で委託する考えで、31年1月末を履行期限として進める。今後のまちづくりの基礎資料となるもので、武蔵野線の東西約7haで4級基準点測量(35点)などを予定。入札の参加資格は、市川市内に本店または営業所などがある事業者であることなどとした。
この業務は、JR武蔵野線の市川大野駅と船橋法典駅のほぼ中間に当たる同地区で、新駅の設置を視野に入れたまちづくりを検討する事業の一環。
市ではこれまで、北東部地域の特徴を踏まえ、土地利用における課題の解決や交通環境の向上などを図るため、自然と共生したまちづくりを基本に、デベロッパーなど民間事業者へのヒアリングなどを実施。新駅を中心とした都市型住宅と、大型の商業施設を組み合わせたまちづくりのモデル案などを策定している。
市は26年度、このモデル案についての概算事業費や新駅関連整備による事業効果などを検討。事業が成立するかを確認するとともに、地権者の合意形成を図るため、アンケート実施。ワークショップなども開いて土地利用方針を示すなどしており、今年度は測量と並行し、地権者らを対象とした勉強会なども企画しているという。
一方で市では新駅の設置についてJR側とも協議。その際にさまざまな課題が示されたといい、これらの解消に時間を要するとみられることから、事業手法の検討なども含め、まちづくりと新駅の設置とは切り離してそれぞれで検討を進めていく方針だ。
28年度にはまちづくりの基本調査業務を玉野総合コンサルタント(千葉市中央区)に委託。まちづくりの方向性の整理に始まり、まちづくりの基本構想の作成や実現方策の検討、開発事業設計、交通動線と交通施設配置計画の作成、施行前後資産評価検討、概算事業費の算出などを進めた。このうち方向性の整理では、上位計画を踏まえてこれまでの調査結果を取りまとめ、計画テーマと各ブロックの土地利用方針について整理した。
基本構想の作成に当たっては、調査内容を踏まえた基本構想図を作成するとともに、関係権利者や周辺住民に対する説明会も開催。実現方策の検討に当たっては交流人口(乗降客数)の算出などを含む新駅設置に必要な条件の整理とその方策、事業手法を検討するなどした。
業務ではさらに、設計方針を明らかにした上で画地や街区、道路、公園・緑地、排水施設、水道、ガスなど供給処理施設などを盛り込んだ設計書を完成させ、基本計画としてまとめている。