今秋にもルート決定へ 大田原土木の豊原高久線 2200m整備へ路線測量 JR線オーバーのバイパス

【2018/9/12 宇都宮版】
 那須町のJR東北本線高久駅周辺で、あい路狭小区間となっている一般県道豊原高久線の抜本的な改善が始まりそうだ。県は同県道高久駅工区として、28年度に平面図化、29年度から事業化に向けた新規調査箇所として今年度は予備設計を実施しており、複数のルート案を検討。地元説明会で了承を得て、路線測量を発注する計画。県大田原土木事務所によると、ルートは高久駅西側の現道を拡幅し、鉄道と並行して北進のバイパスを整備。現道とは東北本線が堀割的に低い軌道となっている箇所を選定して、オーバーパスでタッチする駅北ルートが有力という。概算延長は2200mで、予備設計はダイミック(宇都宮市)が担当している。

 想定ルートは、同駅北側で同県道が鉄道下をボックスで通過する箇所(高久架道橋)のクランク区間を回避することが目的。バイパスは現道西側を設定し、駅北側で交差点を形成している町道池田高久駅線から北上。新幹線と在来線の間を通り、在来線をオーバーパスして現道にタッチ。現道は在来線と近接並行しており、鉄道を挟んで南から合流するため架設する跨線橋は斜橋となる模様。

 高久駅周辺の同県道は、幅員が狭く車道にはセンターラインがなく、歩道も設置されていない。特に、駅北側の高久架道橋を含むクランク区間は狭く、車両の交互通行にも支障を来しているほか、クランク状に直角に曲がっている箇所には町道が合流し、見通しの悪い危険な交差点となっている。

 同県道は、町中心部の黒田原地区と那須塩原市の旧黒磯市街地とを最短ルートで結び、通勤や通学などの住民生活に加え、地域経済を担う重要な路線。沿道には、町が開発した住宅分譲地や町営住宅団地などが立地しているほか、黒田原小学校のバス停留所に加え、那須中央中学校の生徒が自転車通学で利用している。

 今年度は月内にも道路予備設計が完了次第、事業説明会を開催。地元住民らの了承を得て、年度内に路線測量を発注する見通し。事業予定地付近には公図混乱地区があり、町は28年度から地籍調査を実施している。同事務所では、地籍調査の完了に合わせ用地取得に着手できるよう、準備を進めていくという。

 31年度には、道路の詳細設計やJRとの協議を本格化させ、JR横断部の設計等とともに、道路計画の具体化を図っていく見通し。

 同県道の狭あい区間1600mは、6月に実施した県議会県土整備委員会で重点要望箇所に取り上げられた。要望理由によると、同路線は黒田原地区と那須塩原市を結び、1日の交通量は9000台を数え地域経済に欠かせない重要路線と前置き。

 駅周辺の幅員は狭あいで、鉄道交差部は大型車両とのすれ違いが困難なばかりか、クランク状となっており、歩道も無いことから歩行者・自転車にとっては大変危険な状態とし、早期の整備着手を求めている。

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