福田知事が自民県連に回答 県9月補正規模は57億余 防災減災と学校空調整備に重点
[2018/9/11 宇都宮版]
県の9月補正予算案一般会計は約57億円規模で、道路・河川の防災減災対策事業費14億円や県立学校へのエアコン設置等5億円を追加するほか、債務負担行為では県央地区の道路照明ESCO事業に20億4000万円を設定する。福田富一知事は10日、自民党県連に回答したもので、県立学校の長寿命化対策には31年度修繕工事の前倒しで、設計費5000万円を盛り込んだ。県は補正予算案を11日に公表する予定。
=2~3面に予算と政策要望に対する知事回答
福田知事は、自民党県連(茂木敏充会長)と、とちぎ自民党議員会(神谷幸伸会長)が9月補正予算案に盛り込むよう要望していた19重点事業で50億5880万円について、この日満額回答したほか、一般会計の規模を明かした。
回答書によると、9月補正予算は安全で安心な暮らしの実現や強みを生かした産業の振興など、県民生活に関わる緊要な課題に適切に対処することとして編成したとしている。政調上乗せの緊急防災・減災対策事業費の14億円、公共事業関連調査費の3億円は全国で頻発している豪雨対策を背景に、本県でも災害に対する備えとして河川の堆積土除去などに11億円、道路は冠水時のアンダーの進入抑止施設に3億円を配分した。
農政部の公共事業費には8億9055万円。農地の大区画化や水利施設の長寿命化・耐震化など、当初予算と合わせ継続地区を中心に農業農村の基盤整備を推進する。
大阪北部地震では建築基準法に適合せず、倒壊したブロック塀による人的被害が発生。一般会計に計上する改修のうち、県庁舎等が38施設で1億8200万円、高等学校は31校で4億円、特別支援学校は1校で100万円、警察施設が62施設2億1800万円となった。
道路照明をLED化に変更するESCO事業には債務で20億4000万円。県央地区の宇都宮・真岡・鹿沼の3土木事務所を対象に業者を選定する見通し。実施期間は維持管理を含む31~40年度まで10年間を見込んだ。
政調上乗せでは、5カ年計画で始まった県立学校長寿命化推進事業を前倒しし、設計費5000万円も予算化された。31年度早期に工事に着手できるよう、今年度に設計を行う。エアコン設置は、未設置13校171室の事業費に加え、PTA等がリース契約している45校を対象にリース料金や電気代等を合わせ5億円を盛り込んだ。
小山市福良地内の紬織物技術支援センター建替えには1億6661万円。内訳は、建設工事費が4976万円、解体工事費7992万円、設計委託費3693万円。整備は31年度まで2カ年を計画し、全体事業費は約6億7000万円。国の交付金の地方創生拠点整備基金3億1000万円を積み立て、総額6億1028万円の継続費を設定する。
障害者福祉施設整備助成には4860万円。下野市の生活介護事業所の創設1カ所が対象。
芳賀・宇都宮LRT整備に伴う両市町への助成には、上限83億円のうち6分の1に当たる7億8000万円を配分。合わせてLRT運行に伴う信号機の制御方法の設計費4374万円も盛り込む。交通量調査やシミュレーションなどを通じて設計内容を固めていく。
県庁正面前の交差点改良に向けた調査設計費(地下埋設物調査・路線測量・道路設計)には3000万円。隣接する栃木会館跡地や道路を挟んで総合文化センターの大規模修繕も始まるため、将来のシンボルロード(主要地方道宇都宮向田線)の拡幅改良を見据え、修繕後の乗降スペースの検討等を含め、当面は付加車線や滞留長が不十分な同交差点の改善を実施していく見通し。
建設関連等予算額は次の通り。(単位・万円)
【安全・安心な暮らしの実現】
▽緊急防災・減災対策事業費=14億▽公共事業関連調査費=3億
▽県庁舎等ブロック塀等緊急対策事業費=1億8200▽県立学校ブロック塀等緊急対策事業費=4億0100▽警察施設ブロック塀等緊急対策事業費=2億1800
▽県立学校空調設備整備事業費=5億▽同施設長寿命化推進事業費=5000
▽障害者福祉施設整備助成費=4860
【県内経済の活性化】
▽紬織物技術支援センター整備費=1億6661.9
▽技能五輪・アビリンピック選手育成強化等推進事業費=3000
▽ICT等活用促進事業費=250
【県民生活・経済を支える基盤整備】
▽公共事業費(農政部)=8億9055.1
▽道路照明ESCO事業費(債務負担行為)=20億4000
▽芳賀・宇都宮LRT整備事業費補助金=7億8000▽同関連交通安全施設整備費=4374
▽県庁正面前交差点改良事業費=3000