積水化学グループを選定 下水管路保全の民間委託(柏市)
[2018/9/11 千葉版]
柏市下水道整備課は、同市が管理する公共下水道の管路施設について、予防保全型による維持管理や改築に関する業務や計画策定などを委託するための公募型プロポーザルで、代表企業を積水化学工業(環境・ライフラインカンパニー東日本支店・東京都港区)とする企業グループを選定した。構成員は▽柏管更生有限責任事業組合▽松戸環境整備事業協同組合▽管清工業千葉営業所▽東京設計事務所東葛飾事務所▽パシフィックコンサルタンツ▽奥村組東京支店▽清流メンテナンス──。来月にも契約し、34年9月30日までの4カ年にわたり、同市の下水管路を一括管理する。
今回のプロポーザルは、民間事業者のノウハウや創意工夫などを活用し、効率的な維持管理と予防保全型の維持管理への円滑な移行を実現させるため、官民が連携して維持管理業務(改築を含む)として推進できるよう、広く民間事業者の応募を促すことが目的。下水道管路施設の維持管理や改築、計画策定などに伴うモジュール業務をパッケージ化(包括化)し、複数年度契約で一括発注する包括的民間委託方式を採用する。
業務では委託者である市と受託者との連携作業により、管路施設運用・活用の技術力(マネジメント力)を築き上げ、下水道管路施設の機能維持・維持管理業務の効率化とサービスレベルの向上を狙いとし、これまでの「発生対応型の維持管理」から、安定的・継続的に下水道管路施設の機能(ストック効果)が発揮できるようにするために「予防保全型の維持管理」に転換させる。
また、その効果的な達成に向け、従来の仕様発注型包括的民間委託方式に加えて「性能発注型包括的民間委託方式」を採用。リスク評価を踏まえ、下水道管路施設の維持管理(点検・調査など)、改築、計画策定などに関する中長期的な視点に立った目指すべき方向性と、その効果の目標値(アウトカム)と、これを実現するための具体的な改築業務量の目標値(アウトプット)などを設定し、業務を推進するとした。
対象となる施設は汚水管渠のマンホールや取付管、公共汚水桝と、雨水管渠の雨水函渠、開渠、マンホールなど。業務内容は▽計画的維持管理(巡視点検、管路内簡易カメラ調査等(人孔含む)、公共汚水桝点検、管路内目視調査業務)▽計画的改築(緊急度判定に基づく改築対策)(計画的な設・改築)▽ストックマネジメント実施計画関連(点検データ管理、ストックマネジメント実施計画の見直し)▽統括管理(一元的統括管理(日常的な施工管理等を含む)、業務計画書及び報告書作成)▽その他(企画技術提案に基づく任意業務)──を予定する。
この業務について市は、一般的にコンクリート系の下水道管の耐用年数が50年と言われ、同市の下水道管が整備後50年を迎えようとする中、限られた財源と職員で下水道インフラの総合的・計画的な老朽化対策を推進していくため、官民連携手法の一つである包括的民間委託が有効であり、管路の点検・調査から改築更新までの一連の業務が効率化されることに期待したいとしていた。