七光台跨線橋を修繕へ 損傷・劣化調査し設計(野田市)
[2018/9/8 千葉版]
野田市道路建設課は、五木新田字東台地先で東武野田線を跨ぐ七光台跨線橋の修繕を計画している。30年度は修繕設計を進める考えで、19日に開札予定の一般競争入札で業務を委託する考え。入札への参加は10日まで受け付けており、県内に本店または営業所などがあり、過去10年間に1件50万円以上の橋梁の修繕設計業務の受注実績があることなどとした。
平成元年に架設された七光台跨線橋は、市道1061号線(都市計画道路山崎・吉春線)で、川間駅と七光台駅の間で東武線をオーバーパスする。橋長は60・12m、全幅員は16・30mで径間は3径間。上部工はP中央径間がPC床版橋、側径間がPCT桁橋、また下部工は逆T型橋台2基と2柱式ラーメン橋脚2基で構成されており、基礎は杭基礎となっている。
業務ではまず、関係資料を収集した上で業務全体の調査・設計を計画。対象橋梁の現地踏査や外観変状調査、形状寸法測定、データ整理、損傷図作成、修繕箇所の抽出を実施する。
続けて損傷・劣化の程度や現況交通状況、周辺環境状況、現地調査方法、施工ヤードなどといった現橋や現地の状況を把握。現況形状を図面に復元し、修繕検討や修繕設計の基礎資料とする。
詳細な調査に当たっては、橋梁全体に対して目視やクラックスケールなどで外観の変状を調査。劣化・損傷の位置・規模を調査し、損傷図を作成するとともに、近接目視を基本にひび割れ(チョーキング)や遊離石灰などの析出状況、漏水、錆汁、鋼材状況を調査する。併せて打診ハンマーによる点検も実施し、コンクリートに浮きが生じてないかも確認する。
このほか必要と思われる各種の試験を進めた上で、劣化の原因を推定し、構造物の健全度を評価。修繕の要否を判定し、対策が必要な場合は適した工法により構造性や施工性、経済性などを比較検討し、最適な対策工法を検討し、確認された損傷について点検や試験結果、修繕工法の比較・検討結果に基づいた図面の作成や数量計算を進めるとともに、概算工事費も算出する。履行期限は31年1月31日とした。
架設から23年が経過した段階での点検では、主桁に剥離、遊離石灰が認められたほか、橋台や橋脚にひびわれ、滞水、その他(落書き)を確認。高欄や防護柵にひびわれ、遊離石灰、脱落、変形のほか、添架物(歩道橋)に腐食や防食機能の劣化、欠損が確認されたとし、次回の点検までに補修するとした。また、支承や排水施設の土砂詰まりは維持工事で対応し、床版の遊離石灰や路面の凹凸は状況に応じて対応するとした。