10日公告5件分概要公表 水門遠隔工を2分門が発注 港湾・漁港15港を制御(県出納局)
[2018/9/6 宮城版]
県出納局は5日、工事5件について入札概要などを公告前に公表した。磯草道路改良工事(その2)などの一般競争入札を、10日に公告する。このうち、港湾や漁港に設置されている陸閘・水門を遠隔監視する事業に関し、土木部と農林水産部はそれぞれ、遠隔監視制御設備の設置工事を発注する。
出納局が公表した入札概要によると、土木部が所管する「陸閘水門遠隔監視制御設備設置(その2)工事」と農林水産部が所管する「水門・陸閘遠隔監視制御設備設置工事」の発注業種は「電気通信工事S等級」となっている。
磯草道路改良工事(その2)と朴島地先海岸(南側)災害復旧工事(その2)、波伝谷漁港戸倉防潮堤ほか災害復旧(その3)工事の3件は「土木一式工事S等級」で、同等級の単体企業か復興JVが入札の参加対象となっている。
5件とも10日に一般競争入札を公告し、参加者を募る。開札予定は10月4日。すべて標準型(施工計画型)の総合評価方式を適用する。
東日本大震災では大津波が押し寄せる中、責任感を持って陸閘・水門を閉めに行った多くの消防団員らが犠牲になった。悲劇を繰り返さないために県は、陸閘・水門の開閉状態を離れた場所から監視できるよう、遠隔監視制御設備を設置している。一部の陸閘・水門は、遠隔操作で開閉できるようになる。
遠隔監視制御設備の設置工事は、土木部が4月に初弾工事を発注し、富士通(東北支店・仙台市青葉区)が13億2600万円で落札している。土木部は今回、2弾目の工事として4港湾分を発注する。一方、農林水産部は初弾分として11漁港分を発注する。今後、2弾目の発注も予定している。
土木部分の工事では、石巻工業港と表浜港、雄勝港と仙台塩釜港(仙台港区)の一部を対象にしている。初弾工事では県庁の土木部内に監視局を置き、仙台、東部、気仙沼の各土木事務所に統制局を設置した。本工事では既設の監視局や統制局および監視操作局などのシステムを増設する。
農林水産部の工事では、気仙沼や石巻、塩釜など11漁港を対象にしている。同部内に監視局を設置し、統制局は土木部と供用する形をとって遠隔監視制御装置などのシステムを増設する。
発注予定によると、土木部分の工事は工期が約13カ月で概算工事規模は5億~22億9000万円。農林水産部分の工事は工期が約28カ月で概算工事規模は5億~22億9000万円が見込まれている。