防災・減災対策を充実 31年度予算要求を通知(県財政課)

[2018/9/6 千葉版]
 県総務部財政課は5日、31年度当初予算を要求するに当たって、各部局に通知した。要求書の提出期限を10月3日までと定め、取りまとめる方針。総合計画の着実な推進や行財政改革などの推進、喫緊の課題への対応などを編成に当たっての考え方として据え、建物の長寿命化計画を踏まえた財政負担の軽減または平準化、自然災害から県民を守るための防災・減災対策の充実などを図るなどとしている。

 通知では本県の財政状況について、31年度は歳入面では堅調な企業業績の推移などで、県税の増収が期待されるものの、これに伴い臨時財政対策債も含めた実質的な地方交付税の減額が見込まれるとした。

 歳出面ではまた、社会保障費や公債費が引き続き増加するとともに、人件費については今後、人事委員会勧告に伴う給与改定による増要素も想定されることから、全体として義務的経費の増加が避けられない状況で、現時点では厳しい財政運営が見込まれるとしている。

 一方で31年10月には地方消費税率の引き上げなどが予定され、これに伴う景気への影響や、引き上げに併せて実施が見込まれる施策に伴う経費の増加など、地方財政への影響が不透明な部分があるとともに、32年度以降も社会保障費などの義務的経費は引き続き増加が見込まれることに加え、老朽化した県有施設にも適切に対応していく必要があることなどから、将来負担を見据えて持続可能な財政構造の確立に取り組んでいかなければならないとした。

 予算編成に当たっての基本的な考え方として通知では、こうした厳しい財政状況でも、真に必要な県民サービスを提供していくため、限られた予算を有効活用するとともに、全庁を挙げた財源確保に取り組んでいく必要があることから、まず総合計画の着実な推進として、基本目標に掲げた「安全で豊かなくらしの実現」と「千葉の未来を担う子どもの育成」、「経済の活性化と交流基盤の整備」に向け、県民サービスの向上や活性化、将来の発展のため必要なものなど真に必要な事業について重点的に措置するとした。

 また、行財政改革の推進については、県行政改革計画・財政健全化計画を踏まえ、事務事業を見直すとともに、産業振興や企業誘致の推進、観光振興などの施策の積極的な展開による税収増などに取り組み、持続可能な財政構造の確立を目指す。

 加えて県有建物長寿命化計画を踏まえ、建物の集約化や総量縮減、計画保全に取り組むなどし、大規模改修・建替などに伴う財政負担の軽減・平準化を図る一方、喫緊の課題にも対応。近年頻発する自然災害から県民の生命・財産を守るため、防災・減災対策の一層の充実を図りながら、東京オリンピック・パラリンピックの開催を翌年に控え、開催準備や機運醸成に向けたオール千葉の取組を加速させることとし、これらの課題に必要な予算を措置するとした。

 要求基準のうち歳入面では、未利用県有地などの処分推進などで確保に努めるとともに、国の予算編成動向を的確に把握、国庫支出金の効果的な活用を求める。

 一方で歳出については、義務的経費や公債費、震災対応経費(継続分)については、積算根拠などを精査の上で年間所要額を要求。これら以外の経費は各部局で見直し、原則として30年度当初予算額に対し、当然増減となるものを除き一般財源ベースで10%を減額。総合計画の着実な推進に必要な新規・拡充事業については、別途要求可能とするものの、10%の減額の範囲内で要求の要求とするよう求めている。

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