公園整備に34億円 奥松島11.6haを2年で施工(東松島市9月補正案)
[2018/9/1 宮城版]
東松島市は8月31日、9月補正予算案を公表した。一般会計は41億9217万円を追加し、総額を351億4220万円とする。主な建設事業は、奥松島運動公園の災害復旧事業費に16億9946万円を計上するとともに、30~31年度で限度額17億0473万円の債務負担を設定した。同公園は本年度からの2カ年施工を計画しており、9月補正に盛り込んだ事業費のうち、33億9500万円を工事費と施工監理委託費に充てる。
奥松島運動公園は、震災津波で被災したことから、災害復旧事業で野蒜地区の東名運河より北側に再整備する。対象面積は11.6haを計画。予算が成立すれば本年度に工事を発注し、33年3月の完成を目指す。ただし、周辺の道路工事や下水道工事との調整次第では、33年度以降に延びる可能性がある。
新しい公園は、市が防災集団移転促進事業で買い上げた宅地などを利用して整備することにしており、東西に細長い形状となる。東側のJR旧野蒜駅付近には27ホールのマレットゴルフ場、管理棟、子ども広場、駐車場などを配置する。
旧野蒜小学校付近の中心部にはRC造平屋2400平方mの体育館、テニスコートなどを設ける。その西側に少年野球場や多目的グラウンドなどを造る計画となっている。トイレや休憩所も数カ所に確保する。
公園施設の実施設計業務は、土木関係をアジア航測(仙台支店・仙台市青葉区)、建築関係を桂設計(仙台市太白区)に委託した。JRの線路跡は利用方法を検討中で、工事費は今回の予算に含まれていない。
9月補正案にはこのほか、東名運河南地区内水排除対策事業の調査測量設計業務委託費に8472万円、東名ふれあいセンターの改修実施設計費と工事費に1146万円、橋りょう施設長寿命化対策事業の調査測量設計業務委託費に680万円を計上。道路事業や防集事業の不要額返納金として18億0537万円も盛り込んだ。国や県に返納する。
一般会計以外では、下水道事業特別会計の債務負担行為で、赤井排水区(雨水排水)の下水道函渠工事その2に限度額1億5000万円、仙石線陸前赤井・石巻あゆみ野間の排水函渠線路下横断事業負担金に限度額3億円を設定。期間はともに30~32年度。
予算案は6日開会の市議会9月定例会に提出する。会期は28日までを予定している。
亀岡地区センター 設計費を債務負担
同市は一般会計9月補正予算案で、亀岡地区センター(野蒜字亀岡)の災害復旧工事設計業務委託費に、限度額798万円の債務負担を設定した。期間は30~31年度。復旧方法は移転新築で、9~10月に同業務を委託し、31年度に災害査定を受け、32年度に新築工事を発注する見通し。
新センターは、既存施設の隣の一段高くなっている敷地に建設する。敷地面積は1007平方m。建物は木造平屋150平方m程度を想定。敷地内には駐車場などを整備する。
市は当初予算で新センターの設計費に720万円を計上していたが、年度内に設計がまとまらないため、これを取り下げ、新たに債務負担を設定した。
既存施設はS+RC造平屋320平方mの規模で、集会室2部屋と保育室、休養室、体育室が設けられている。震災津波で天井付近まで浸水した。新センターには体育室を設けず、集会スペースで軽運動ができるようにする。
市は既存施設を取り壊し、跡地にも駐車場を整備したい考えだが、地元住民と協議して決める。