空調設置へ基本計画 浄化センター包括管理で債務(千葉市補正)
[2018/9/4 千葉版]
千葉市の熊谷俊人市長は3日の会見で、市議会9月定例会に提出する補正予算案の概要を明らかにした。このうち一般会計は、専決処分した第2号案と第3号案があり、両案合わせて11億0,700万円を追加、同会計の総額を4,466億4,400万円とする。先に表明した全小中学校の普通教室への空調設備設置へ基本計画の策定に着手するほか、浄化センター2カ所の包括的維持管理へ債務負担行為を設定するのが目立っている。
小中学校普通教室空調設備基本計画の策定には、委託料7,800万円を計上。事業手法の検討や各事業費の算定、整備スケジュールの検討などを進める考えだ。
学校への空調設備の設置についてはこれまでにも検討が進められており、今年4月には学校施設の環境整備に関する審議を進めるに当たり、その資料を策定することを目的に基礎資料の調査を明豊ファシリティワークス(東京都千代田区)に委託した。
同業務では空調設備の導入手法として▽直接施工方式▽PFI方式▽リース方式──の3方式を比較するなどしている。
空調設備については今夏の猛暑を受け、保護者らから多くの設置要望が寄せられていたが、老朽化している施設が多いことから、これまで校舎の外壁改修やトイレの洋式化などを優先してきた。
下水道事業会計では、中央浄化センター(美浜区新港69)と、南部浄化センター(中央区村田町893)で、それぞれ包括的維持管理を委託するため、ともに31~35年度の5カ年を期間とし、限度額をそれぞれ35億7,900万円、94億5,500万円の債務負担行為を新たに設定する。
包括的維持管理は、運転・保守点検、電力や薬品調達を包括的に委託するもので、31年度からは第4期目。現在は中央浄化センターをヴェオリア・西原JV、一方の南部浄化センターについては月島テクノメンテサービス(千葉支店・千葉市中央区)が管理している。
施設の維持管理ではこのほか、市立青葉病院(中央区青葉町1273-2)と海浜病院(美浜区磯辺3-31-1)の維持管理を一体的に委託するため、期間を31~33年、限度額を14億1,000万円とする債務負担行為を設定。31年度からは2期目で、30年度までは三井物産フォーサイト(千葉営業所・千葉市中央区)が手掛けている。
ブロック塀対策としての撤去費用については、7月24日付で専決処分の第2号案で、1億2,100万円を追加。学校施設は57校・91カ所分で1億1,250万円、その他の市有施設は9施設・10カ所分で900万円を計上した。
第3号案ではさらに、学校施設103校・332カ所と、その他市有施設21施設・38カ所分として合わせて5億4,550万円を盛り込むとともに、個人所有のブロック塀についても、撤去・フェンス等設置に当たり、30件の撤去と3件のフェンス設置へ補助金690万円を追加する。
建設関連ではこのほか、2カ所分の小規模福祉施設スプリンクラー等設置費補助金1,079万円、余裕教室の改修による3カ所の子どもルーム整備2,250万円、特別教室で運営する高学年ルーム2カ所の改修に300万円、国庫補助金の決定に伴う市営住宅の計画修繕費として、階段・手すりの設置11団地分、玄関などへの手すり設置と浴槽設置といった住戸改善70戸分、屋外階段などの改善15団地分に合わせて1億1,200万円を投じる。
主なものではまた、中央区役所のきぼーるへの移転に伴い、千葉市美術館(中央区中央3-10-8)の拡張工事に向け、限度額10億5,000万円の債務負担行為を設定。32年7月のリニューアル開館を目指す。