県立校改修で債務負担 台風豪雨対策に11億円(県9月補正)
[2018/8/31 千葉版]
森田健作知事は30日に会見し、9月13日に開会する県議会9月定例会に提出する補正予算案の概要を明らかにした。一般会計は83億3,300万円増の総額1兆7,372億1,400万円となる。建設関連では、相次ぐ台風や豪雨に備えるため、堤防や護岸整備を中心に10億9,340万円を追加計上するほか、県立学校の外壁・屋上などの改修に新年度早期から着手できるよう、29億円余の債務負担行為を設定するのが目立つ。
台風・豪雨対策ではまず、河川・海岸・砂防事業として、堤防・護岸の補修に6億2,400万円、堤防の嵩上げ・護岸整備・地盤改良に2億3,000万円を計上。また、河道内に堆積した土砂の撤去に9,540万円、土石流・崩落防止対策に5,600万円の計10億9,340万円を盛り込み、既定額と合わせて42億4,015万円を予算化する。
また、子ども・子育て世代への支援として、県立学校の校舎や体育館などの長寿命化対策を進めるため、県県有建物長寿命化計画に基づいて実施する外壁や屋上の改修について、新年度早期に着手するため、19校23棟分となる29億0,900万円を債務負担行為に設定。併せて、特別支援学校の過密状況に対応するため、市原特別支援学校(市原市能満1519-5)で56人規模の増築工事の着手に向け、3億3,500万円を債務負担行為とする。
喫緊の課題として、大阪府北部地震におけるブロック塀倒壊事故を踏まえて、県立学校などの県有施設において、安全対策が必要なブロック塀などの撤去・改修を実施するため、一般会計で8億円、公営企業会計分で5,000万円を新規に計上する。
対象は劣化・損傷があるものや、ブロック塀などの高さが建築基準法の基準を超えているもので、内訳をみると県立学校では61校・205カ所分、県有施設は81施設・170カ所分に4億円ずつ、公営企業会計分は浄水場など9施設・15カ所に5,000万円を充てる。
建設関連ではまた、今年5月に発生した君津市の三島ダムでの漏水に対応するため、応急工事を実施するとともに、今後の復旧工事に向けた工法の検討と、機能の保全工事などの関連事業を実施。土質調査のほか、再度の漏水防止のための水路壁の切欠工事など応急対策工事に1億2,238万円、コンクリート部分の補修といった機能保全工事などに6,000万円の計1億8,238万円を計上する。
2年後に控える東京オリンピックに当たっては、会場の玄関口となるJR外房線の上総一ノ宮駅東口の跨線橋とエレベーターを一宮町が整備するに当たり、経費のうち4億0,500万円を補助することとし、債務負担行為を新たに設定する。事業費は約8億1,000万円(設計費除く)を概算しており、その2分の1に充てる。オリンピック直前の32年6月下旬の供用開始を目指す。
主なものではこのほか、交通安全施設整備事業として、交通事故防止のため摩耗した横断歩道の補修を約1,100カ所で実施するため8,000万円を計上、既定額と合わせて28億8,516万円とする。また、観光振興を図る施策の一環として、房総横断鉄道としてのいすみ鉄道・小湊鐵道を利用した観光周遊ルートの造成や効果的な環境整備を調査・検討するため、1,000万円を新規計上する。
加えて、災害復興・地域再生基金積立金として、将来の自然災害の発生に備えるため35億円を積み立て。一方で旧青少年女性会館(千葉市稲毛区天台6-5-2)を中央児童相談所として改修し、機能の拡充を図る事業については、新たな設備の改修などが必要となったことからスケジュールを見直し、事業費2億0,535万円を皆減させるのに併せ、5億3,700万円の債務負担行為を設定、32年度の供用開始を目指す。