佐久山川ボックスに着工 大田原土木の大田原氏家線 箒川橋梁が詳細設計 佐久山親園バイパス2180mを整備
[2018/8/22 栃木版]
県は、大田原市の主要地方道大田原氏家線親園佐久山バイパス2180mの整備で今年度、一級河川箒川を渡河する橋梁の詳細設計を委託するほか、一級河川佐久山川を渡河するボックス工に着工する。同橋梁の上流側の左・右岸に整備する調整池は、左岸側の面積が800平方m、容量560立方m。右岸側の面積が1600平方m、容量は1215立方mを試算した。県大田原土木事務所によると、用地補償を先行する形で箒川橋梁の着工時期を検討、今年度は詳細設計の中で工事実施に向けた詳細な数量等を算定していく見通しを示した。
工事に着手する佐久山川のボックス工の延長は26.8m(W6.8m×H5.2m)。発注見通しでは、ボックス工とともに護岸工200平方mを施工、工期に7カ月を見込んでいる。
同バイパスの施工は28年度、ライスライン側から着手。深川橋梁南側の一般部に本格着工し、施工延長406mについて2分割で発注した。同工区には普通河川田谷川を渡河する門型カルバートも改良工事と一体で施工した。
バイパス整備に伴い、雨水排水を一級河川箒川に放流するため、28年度には調整池の詳細設計を実施。同バイパスの法線が一級河川箒川を渡河する北側の左・右岸に1カ所ずつ、2基の整備を位置付けた。
箒川橋梁は予備設計を行い、橋長147mの上部形式に3径間連続鋼I(少主)桁を選定。桁製作の工期短縮や架設後のメンテナンスなどコスト縮減を考慮したもので、法線も直線橋となるよう、架設位置を決めたとしている。下部工は逆T式橋台2基で、右岸側が直接基礎、左岸側は杭基礎(場所打ち杭)。橋脚2基は壁式で、直接基礎で施工する。
29年度には深川橋梁の上下部工を発注。同橋梁と北側のライスラインとは近接しており、同橋梁は右折レーンを設置する関係から、路面は台形上となる。橋長が18.1m、上部形式にプレテンション方式PC単純床版桁、下部工は杭基礎逆T式橋台2基で構成する。
佐久山川渡河部は、新設区間となる南側の盛り土区間に位置する。佐久山川の渡河部と市道3カ所とは立体交差によるボックス工を計画。主要地方道矢板那珂川線交差点の丘陵部から水田の広がる箒川氾濫原までの比高差は約30m。法線の延長が約250mで、盛り切り土により道路の安定化を図る。
盛り土区間では、佐久山地区の生活道路とのアクセスを1カ所に絞り、東西の市道親園佐久山線、佐久山4号線、佐久山3号線とはボックスカルバートでバイパスが市道を跨ぐ立体交差で計画した。ボックス工の規格は内空断面で、親園佐久山線(W7.0m×H5.4m)、佐久山4号線(W7.5m×H5.9m)、佐久山3号線(W6.9m×H5.9m)。
佐久山地区と連絡する道路は新設し、バイパス西側から流入、バイパスには左折レーンを確保する。道路詳細設計と南側の構造物設計、深川橋梁、調整池の詳細設計は富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)、箒川橋梁の予備設計は富士コンサルタンツ(同)が担当。箒川の北側、ライスラインまでの約950mについては既設の幅員4.0m程度の農道を拡幅する形で法線を設定した。
同バイパスは全幅を11.75mとし、車道3.25m×2車線、歩道を片側に3.5m確保。付加車線は起点のライスラインと終点部の矢板那珂川線交差点、佐久山地区との連絡道路分岐部に計画。全体事業費には25億円を試算している。